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杉浦日向子さんの言葉

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自分のハダカを疎ましく想うのは、
自宅の小さなお風呂に、ひとりで浸かって、
腹をつまんだり、鏡と睨めっこするからだ。
銭湯行きなさい、銭湯。理想的なハダカなんか、
ひとつもない。みんなでこぼこで、おもしろい。

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赤ちゃんもおばあちゃんも、
きょう一日は一度きり。
そえぞれが、それなりのカタチで生きるのが、個性だ。

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江戸では、マイナス要因だと思われていたことを
カッコよく見せてしまう人が一番粋なんです。
あの人の禿げはカッコいい、と言わせればすごく
粋なわけです。マイナスであればあるほどいいんですね。
背が高くて美男子は、かえって野暮天になってしまう。

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現代に笑いが少ないのは、失敗してはいけないんだ
ということを子どもの時から教えられていることが
原因なんじゃないでしょうか。失敗して
当たり前なんだというふうに育っていかないと
笑えないですよ。

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腹を満たすのではない、時を満たすのである。

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予定を立てない。その日その日のハプニングを
楽しむゆとりを持つ。

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何かわからないときとか、わからないっていう
状態そのものとかが、けっこう自分の中では、
いちばん豊かな状態だったりするんですよね。

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遊びって、自分の人生なり、命なりを、
時間なりスリルなりと取り引きして
やるものですよ。
そういう意味では現代人は遊んでない
ということでしょう。

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江戸を通じて言われていたことに、
「思うことかなわねばこそ浮世とは」
というのがあります。
思うことがかなわないから浮世なんだ。
かなわないからおもしろい。
かなってしまったら楽しみがなくなって
しまうというんですね。

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江戸っ子の基本は三無い。
持たない、出世しない、悩まない。

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本来の粋というのは、自分の中で熟成され、
個人個人で基準が違うものなので、
粋のマニュアルはないんです。

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私たちは真・善・美だけを正しいものとして、
そっちだけを抽出したいと思い続けてきたのが、
そもそも違っちゃったような気がします。
偽・悪・醜を取り戻さないといかんですね。

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主張があるのは、たいてい野暮です。
近代以降は誰しも主張していかないと、
アイデンティティーをちゃんと持っていないと
ダメみたいな、強迫観念がありますが、
江戸では敢えて主張しないものに
価値を見いだすところがあります。

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江戸っ子の好みはカラッとした快活なユーモア。
相手をバカにしたり、皮肉ったり、
自分を卑下するような笑いは下品とされ、
嫌われます。

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上等な笑いとは、スコーンと突き抜けた、
茶の笑い。お茶目、茶化す、茶々を入れる
などの「茶」です。緊張をふっと抜く
笑いが人づき合いを円満にしました。

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江戸の遊びは、無駄を楽しみ、常に感性を
磨き競い合うこと。不必要と思われるところに
機智を駆使することで遊びが文化に高まるのです。

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「残るものにはお金をかけず、
消えてしまうものにはお金をかける」のが、
江戸っ子の心意気ですね。

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江戸のすごろくは、一生上がれない場合もある。
右往左往するのが江戸のすごろくだったわけです。
それが人生のような気がします。
ステージが上がっていくのではなくて、
右往左往していろいろ見聞を広めれば、
それで人生のもとは取ったという意味ですね。

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江戸では、頑張るは我を張る、無理を通す
という否定的な意味合いで、粋じゃなかった。
持って生まれた資質を見極め、浮き沈みしながらも、
日々を積み重ねていくことが
人生と思っていたようです。

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「いつまでも若々しく健康で、より良い人生を
長く生きよう」という思想は、少なくとも、
放蕩の人、風流に人にはなかった筈です。
「年相応に老け衰えつつ、それなりの人生を
死ぬまで生きる」という当たり前のことが、
遠くなりました。

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江戸人は、この、無名の人々の群れです。
このような人生を語らず、自我を求めず、
出世を望まない暮らし振り、いま、
生きているから、とりあえず死ぬまで生きるのだ、
という心意気に強く共鳴します。

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何の為に生きるのかとか、どこから来て
どこへ行くのかなどという果てしのない問いは、
ごはんをまずくさせます。

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江戸の人々は「人間一生、物見遊山」と思っています。
生まれてきたのは、この世をあちこち寄り道しながら
見物するためだと考えているのです。

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江戸のころには「闘病」ということばは
ありませんでした。かわりに「平癒(へいゆ)」
といいました。病とは、外からやって来るもの
ばかりでなく、もともと体に同居していた、
ちいさな身内だったのかもしれません。

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物事の両面を受け止めて、
どちらもおもしろいんじゃないかと肯定する。

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自分が没落しようが、乞食になろうが、
それも自分で請け負って楽しむというぐらいの
気概がないと。「社会が悪いから失業した」じゃ、
江戸はやれないですよ。

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便利は不健康だ。不便を、克服してゆく過程で、
ひとは、ちからをたくわえていく。

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わたしたちはつねに右肩上がりでないといけない
という幻想にさいなまれている。でも本来は
去年と同じ年収で暮らせる社会のほうが
幸せなんです。

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悟りというものは達するものではなくて
瞬間であって、悟った瞬間、また俗にまみれて
いくんですよ。その人が尊いか尊くないかというのは、
生涯のうちに何回その悟りの瞬間を得られるか。
その機会をたくさん持っているひとが
偉いんだと思うんです。

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江戸の通人のいちばんいい死に方っていうのは、
家財を全部遊びに放蕩しつくして、野垂れ死ぬ
っていうことなんですね。命からどれだけ
すべてのものを出しつくして
死のラインまでいきつくか。

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泣いても一生 笑うても一生 
ならば今生泣くまいぞ。

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ともあれ、強いてでも気持ちを明るい
方向へ向かせましょう。楽しいことばかり
考えていると、じきに楽しいことが
訪れるといいます。

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江戸の戯作の面白いのは、そのまんまを
書かずに読む人のイマジネーションを刺激することに
一生懸命になること。どれだけのキーワードで
どれだけのイマジネーションが広がるかが勝負である。

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江戸の遊びは、いつだって、喜怒哀楽の
場数を踏んだ、大人たちが主役です。

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最近、ほっと安らいだのは、いつ、
どこでですか。会社と家庭以外で、
自分の時間を実感したのは、いつ、
どこでですか。頑張らない、背伸びをしない、
等身大の自分に還れたのは、いつ、どこでですか。
そんな居場所を、日常の中に持っていますか。

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現代の人というのは、自己主張をちゃんとしたい、
何とか自分を知らせたいということに、
ほとんどの労力を使っている。

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今の大人は、真面目に命を削って
遊ぶことを知らない。

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非日常的な無駄な時間を重ねて、
その時間分、日常から遠ざかるのが旅だろう。
遠ざかる時間そのものが、旅ではないか。

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二百年前、世界最大の都市人だった江戸っ子の
ライフスタイルは、その日暮らし。

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江戸の寺子屋の教育の基本は、ただひとつ
「禮(れい)」でした。禮を尽くす人になれと教え
育てたのです。禮とは豊かさを示すと書きます。
豊かさとは心の豊かさで、自分自身の心が
満ち足りていなければ、他者をうやまったり、
許したりできないということです。

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by ayu_cafe | 2011-08-24 09:43 | Trackback | Comments(2)
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Commented by antena at 2011-09-11 20:05 x
この記事ちょくちょく読ませていただいてます。

あまりに気になるので、
図書館で予約しているところです。

あんまり「これ!」といった人生のテーマがないもので、
こういうカッコイイ人の言葉には
感心してしまいます。

世界がほんとに狭いので、
知らなかったのです、杉浦さん。
また嬉しい出会いの予感に感謝です。

「人間一生、物見遊山」
ふぅ~
ステキ!
Commented by ayu_cafe at 2011-09-12 07:40
antenaさん
これは杉浦さんのいろいろな本からの
言葉を集めた2冊の本からの写経です。
今年の春ごろに出たみたいです。

わたしも最近杉浦さんの本と漫画、
読み始めて、カッコよくて
まだ、こんな新しい扉があるのか、と
びっくりしました。

これだからあなどれません、人生は。

「人間一生、物見遊山」
きょうもこれ、つぶやいて行きます。