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大森靖子 夏果て 全文。

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夏果て

帰れないってわかってた
でもみんなの遊びじゃ退屈で
おっさんの留守部屋の隅で
縛られ眠る昼下がり

仄かなひかりで時々目覚め
照らされた身体がだらしなく
いちばんかわいいときの私は
どうやっていたんだっけな

夏バテ 夏の果て
だらしない幸せは
本物の子供が無邪気に壊すよ



私は老婆でおっさんは子供
そうだったのかもしれないね

私は何も思い出さずに
目の前の恋をする

殺されるときに流れてた音楽
時は止まらずに連々と
さいごの言葉 さいごのごはん
噛みしめる暇はない

夏バテ 夏の果て
くたびれた夏のはしっこを
君の匂いにむせて
ついにほどいた


夏バテ 夏の果て
だらしない幸せは
本物の子供が無邪気に壊すよ



殺した時のさいごの柔らかさ
俺は絶対に悪くない
正しい息をしたかっただけ
君もきっと同じだろ

一年振りの夏なのに
君の裸を眺める夢をみて
冷凍庫に転がる頭にKissして
涼しい昼下がり






**************


このような題材を
うたにすること、
それを面白がって
写経したのではない。

冒頭の、縛られ眠る、
の、しばられ、というところの
歌唱を生で聴いたことがあるだろうか。

年齢やなにやかやを超えた
まるで青々と妖艶な竹の葉や
見ていられない日本刀のような
艶やかさがそこに現れる。

そしてこのような内容にも
かかわらず、そのパフォーマンスに触れると元気が出る。

表現は絶望を無闇に希望に変えてしまう。
by ayu_cafe | 2013-06-05 10:20 | 大森靖子 | Trackback | Comments(0)
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