「こんなアイドル、普通は応援したくないでしょ。」道重さゆみさん、スピーチ全文。
2003年1月19日、モーニング娘。の第6期メンバーとして合格して、
大好きなモーニング娘。になりました。
私は芸能界に興味があったわけではなくて、
歌が好きとか、ダンスがやりたいとか、そういう気持ちも全然なくて、
ただモーニング娘。が好き、その気持ちだけでここにやってきました。
そして、加入して12年間で本当にいろいろなことがありました。
メンバーと一緒にステージに立って、歌ったり踊ったり、
ちょっと今日は踊れない時もあったんですけど、そういう時間がすごく楽しかったり、
テレビのお仕事も新鮮だったし、ツアーでいろいろなところへも行きました。
加入して何年かはソロパートが全然なくて、ステージに自分の立ち位置はあるのに、
そこに居場所がない気がして、私ってモーニング娘。に必要あるのかなって感じた時もありました。
でも、モーニング娘。が好き、その気持ちだけは1度もぶれずにここまでやってきました。
どんなに頑張ってもうまくいかないこともあるし、どんなに努力したって報われないことだってあります。
だけど、少しずつ前へ進めるということに気付くことができたし、
そうやってモーニング娘。からいろんなことを教えてもらって、学んで、
そして念願のリーダーにもなりました。リーダーになってからも決して順調ではなかったんですけど、
それこそ食欲がなくなってしまうくらい、大変だなと思った時もあったし、
心が折れそうになった時もありました。
だけど、そんな私をファンの皆さんが大きな愛で支えてくれましたね。
そんなさゆみのファンの人たちは変な人が多いです。
変わり者の集まりだなっていつも思ってました。
だって、他に歌やダンスがうまいメンバーはいるし、
こんな大事な日に足を痛めたりしないメンバーだし、みんなはね。
それにさゆみなんかより魅力的な芸能人もいっぱいいます。
そんな中でさゆみのことを応援してくれました。
たいして何も出来ないのに、今日も何も出来なかったのに、口だけは一人前だし、
顔はまあ可愛い方だと思うんだけど、そういうことも全部自分から言っちゃうし、
こんなアイドル、普通は応援したくないでしょ。
それなのに、さゆみのちょっと変なファンの人たちは、
晴れの日も、雨の日も、大雪でも、台風が来ても、嵐の日だって、
さゆみに会いに来てくれた。全力で応援してくれた。勇気くれた。
パワーくれた。優しさもくれましたね。強さもくれた。自信もくれた。
安心感もくれた。そして、愛もくれた。みんなに出会えて良かったです。
さゆみのこと、見つけてくれて、出会ってくれてありがとう。
モーニング娘。になって、みなさんと出会えたから、
道重さゆみが存在する意味があったと思えました。
モーニング娘。になるために生まれてきたんだって、生まれてきて良かったなって思えました。
さゆみのファンの人たちがほかの誰でもない、みんなで良かった。変な人たち、サンキュー。ありがとう。
そして、メンバーのみんな、気付いたら12年前に加入した時のメンバーは誰1人いなくなっていました。
でも、そんな私のすぐそばには9期、10期、11期のみんながいてくれました。
みんなと過ごす時間は楽しかったです。いっぱい笑った。でも怒った時もあります。
それでも「道重さん、大好き」って言ってくれてうれしかったです。
みんなのことがいとおしくてたまりません。さゆみの後輩たちは、今までで一番の後輩たちだと思います。
だからこれからも、もっともっとあの子たちなら頑張れると思います。さゆみも見守っています。
そして後輩たちに見せたい景色があるって、今までいろんなインタビューやテレビでも言ってきたんですけど、
私はこの景色を見せてあげたかったんです。これが私に出来る最後の恩返しです。
今回は、私の卒業ということでここに立つことが出来たけど、
これからは単独のコンサートでみんなにはここに立って、この景色を見てほしい。
そして、私も知らなかったような、もっともっと大きな景色をみんなには見ていってほしい。
その時は、みんなから見る景色の一部にさゆみもいると思います。
最後にもう一度、すべての人に言わせてください。
今まで本当にどうもありがとうございました。
※スピーチは朝日新聞デジタルから。
写真はツイッターから。