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燃え残ったもの。

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キツネは燃える森の中でクルマを停めた。
キツネのこころは、相変わらず、余裕がなく、
よりどころがなかった。
やがて森はきつねのこころを焼き尽くした。
燃え残ったのは白い小さなありがとうだった。
キツネはそれを見つめてからポケットにしまい、
窓を開け、冷たい空気を吸いながら
クルマを発車させた。




by ayu_cafe | 2016-11-21 06:00 | Trackback | Comments(0)