償い。
日曜日、クルマのディーラーに行く用事があって、
シートをとると、助手席側のドアにかなりのひっかき傷が。
こういうクルマだから、こういうこともあるかな、
とは思ってたけど。。
ディーラーで、用事と傷の応急処置をお願いして、
作業がすむまで、ふらりと隣の家電屋さんへ。
TVコーナーでは、巨大な薄型TVが並んでいて、
そのすべての画面に、秋葉原の事件の中継が映っていました。
ひとの暗い感情のことを考えました。
ドアの傷は、時間が経つにつれて、
どっしりと静かに自分の中におりてきて、
そして、だんだん、冷静に思いあたることは、
自分の中にもある暗い感情でした。
ことばで、誰かに修理の効かない傷をつけなかったか。
大事にしてくれた人に、つらい思いをさせなかったか。
行動をおこさないという行動で、無関心という怠惰で、
結果的にみえない暴力をふるわなかったか。
私にとって花や光、美しいものというのは、
たちまち暗がりへ転がり落ちそうになる
感情をなんとかつなぎとめる命綱のようなもの
かもしれません。
だから切実に必要としています。
そして、償いきれない償いと返しきれない恩返し
のために、日々、すこしでもまともに仕事をし、
すこしでもまともに生きたい、と思います。