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カテゴリ:ayuCafe TV Bar( 24 )

妻が残したレシピ。

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NHK。
妻が残したレシピ。


亡くなった妻が
サラリーマンの夫に遺言。

パンを焼いてホームレスの方に
差し上げて。


最初に焼いたパンは

硬いなあ。


でもレシピは妻と話してるみたい。


腕を上げてゆく。
仲間が集う。
ホームレスの方が手伝いにくる。

シュトーレンできたよ。


読めなかった妻の最後の手紙。
いま読めてよかったかな。








by ayu_cafe | 2015-01-12 20:19 | ayuCafe TV Bar | Trackback | Comments(0)

これから、すべてが失われる。カーネーション。

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テレビドラマの至宝、
カーネーションが再放送してる。


カーネーションは失われることを
しっかり描いたドラマだから、


初盤のなにも失われていない様子が、
奇跡や亡霊でもみているようだ。


お父ちゃん、おばあちゃん、
神戸のおじいちゃん、おばあちゃん、
旦那さん、おばちゃん、
商店街、木造の町並み、
家族の近さ、近所の近さ、共同体。。

豊かに豊かに描かれる
人間と町並み。


これから、そのすべてが失われる。


個人的に終盤を見て圧倒されたのが、
あの人情味豊かだった商店街の
現代の味気ない描写。
シャッターがしまり、
近所にあるのは不動産。


いま放送してる町並みを見ながら、
これが、ああなるのか。。
と毎日思う。


現状の放送回では
そろそろいくつかのものが、
離れはじめた。


カーネーションが今後、
なぜあれだけ喪失をシビアに描くのか。


そうして、特に、後半、
失恋や世代交代や失敗や敗北や老いを
なぜあれだけシビアに描くのか。


それは、たぶん、それでも、
豊かな糸子という人間の力を
描きたかったからではないか。



最終盤、

糸子が亡くなった回の冒頭は

糸子のにっこりとした
こんなナレーションではじまる。


「おはようございます。
死にました。」




そう、人間の豊かさは
死んだくらいではなくならない。



喪失と苦渋と敗北は
生きることの前提なのだ。

だから、あまり騒ぎたてることではない。


この泥のような場所の只中で、

今度は、どんな美しいラインの
服を作ろうか。
糸子はどこかできっと
思案している。


だんじりのあのたたみかける
太鼓の重低音が聞こえないか。


われわれはどんなに情けなくても
どんなに負けても、どんな場所でも、
美しいことを志向することにおいては、
豊潤なほどに自由なのだ。












by ayu_cafe | 2014-06-04 10:13 | ayuCafe TV Bar | Trackback | Comments(0)

人が近くでともに暮らす難しさと、 離れても相手をこころにとどめる 希望と切なさ。

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最高の離婚。

エヴァが使途食べてるみたい。
テラスハウス。
自撮り。
そしてみつおの
「知ってますよ」。

この時代のスターだな、
坂元裕二さん。

人が近くでともに暮らす難しさと、
離れても相手をこころにとどめる
希望と切なさ。








by ayu_cafe | 2014-02-08 23:59 | ayuCafe TV Bar | Trackback | Comments(0)

「ださいのなんてわかってる! それがなんだ!」あまちゃんの好きなセリフ。

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アキ
「ださいのなんてわかってる!
それがなんだ!」




水口
「世の中を動かしてるのは、
一番可愛い娘や一番才能のある人間じゃなくて、
二番目なんじゃないかって思うんだ。
二番目の人間が、一番の人間に対して
恥ずかしい姿見せたくないって頑張ったときに
成功するんじゃないかって。」




アキ
「わかったようなこと語んな!
縮こまって、情けねぇ…
南部もぐりの精神忘れたのが?

なんだよ、エリートでプライド高ぇのは
先輩のほうでねぇか!
なんだよ、おらの初恋の相手は
こんな ちっちぇ男だったのかよ!」




アキ
「ちゃんと一人さ届く歌っこ歌った
ママみでぇな歌手になりでぇんだ!」




春子
「謝んなくてもいいわよ。私も家出組だからさ。
田舎バカにして都会に憧れて家出して、
和解するのに25年もかかっちゃったよ。
だから家出の先輩として一言言わしてもらうね…

・・・田舎なめんなよ!」




鈴鹿ひろ美
「今、日本で天野アキをやらせたら、
あなたの右に出る女優はいません。
だから続けなさい。
向いてないけど……
向いてないけど続けるっていうのも才能よ」



大吉
「(好きになった)理由なんて忘れちまった」




ユイ
「東京も、北三陸も、
私に言わせれば日本なんで。
おがまいねぐ。
もう、ずっとやっていきます!
あたしたち、おばあちゃんになっても
ずっと潮騒のメモリーズです!」
by ayu_cafe | 2013-09-28 09:55 | ayuCafe TV Bar | Trackback | Comments(0)

崇高な絵画。ドラマ women

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ちゃぶ台の上で、
母と娘が手と手を重ねる。
ただそれだけで、
ぞっとするほど感動する。
そういうドラマ。women。


最終回のあの圧倒的、多幸感。
あの古い家。あの庭。
あのかまち。あの西日。
あの雨と傘。

田中裕子、二階堂ふみ、小林薫。

ずっと暗ければいいのに。
ずっと台風ならいいのに。

こどもは思い出で育つんだよ。


最終回は坂元裕二
どうするんだろうと
思って観たが、こうくるとは。


死後みたいな、
まるでこうなってほしい
夢みたいな
圧倒的な多幸感の映像で
たたみかける。

終盤音声がなくなる。

あの映像に
あの田中裕子に
あの小林薫に
あの二階堂ふみに
そもそも音声いらないのかも。


崇高な絵画かと思った。



こんな風な心の残し方するのか。




憎んで憎んで
罪に苦しんで苦しんで
静かに日々は進み
丁寧に丁寧に日々は描かれ
古い木のちゃぶ台で
母と娘の手と手が重なる。

ぞっとする。





とくに、あの古い家と庭。
すでにそこに愛情がありすぎる。




「あのね、
あんまりお庭好きになっちゃうと、
また引っ越しする時寂しいでしょ?
だから、今迷ってんの。
好きになるかどうか。」

「…好きになっていいと思うよ。」





時折、夕暮れのどこから聞こえてくるように
ふっとこの曲がしのびこむ。




遠き山に日は落ちて
星は空を 散りばめぬ
今日のわざを なし終えて
心かろく やすらえば
風は涼し この夕べ
いざや楽しき まどいせん
by ayu_cafe | 2013-09-12 10:49 | ayuCafe TV Bar | Trackback | Comments(0)

「それは、映画を観るよりずっとすてきな光景だったのです。」 結夏の手紙

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光生さんへ


光生さんだって。
今、自分でそう書いててびっくりしました

あなたのことを名前で呼ぶのは、ちょっと記憶にないぐらい久しぶりな気がして
何か緊張します

取りあえず、ご報告です
私、家を出ました
部屋を見てびっくりしましたか?口 開いてませんか?
今、説明しますので、ひとまずそれを閉めてください

あのね、光生さん。やっぱりこのまま一緒に住んでいるのは変だと思いました。
私たちは離婚して結構たつし、何かと支障があると思うのです。

どんな支障かは上手く説明できないのですが、最近どうも、またあなたのことを
見てると、変にざわざわとするのです

私なりに、そのざわざわを打ち消すとか、あるいは元に戻す努力を検討してみたのですが
どちらも上手くいきませんでした

私、あなたのことを変だとか言いましたが、どうやら誰より変なのは
私なのかもしれません。
いろんなことの 調整が上手くできないのです。

好きな人とは生活上気が合わない
気が合う人は好きになれない

私、あなたの言うことやすることには何一つ同意できないけど、でも好きなんですね

愛情と生活はいつもぶつかって、何というか、それは私が生きる上で抱える
とても厄介な病なのです

前に映画見に行きましたよね?ほら。私が10分遅刻したとき。
横断歩道を渡ったら、待ち合わせのところにあなたが立っていました。
寒そうにしてポケットに手を入れてました。
この人は、今、私を待ってるんだ。
そう思うと、何故か嬉しくなって、いつまでも見ていたくなりました。
それは、映画を観るよりずっとすてきな光景だったのです。

あなたをこっそり見るのが好きでした。
あなたは照れ屋で、なかなかこっち向かないから、盗み見るチャンスは
たびたびあったのです

目黒川を2人で並んで歩くとき、こっそり見てました。
DVD見てるとき、本読んでるとき、いつもあなたを盗み見て、
気持ちは自然と弾みました

桜が見える家にお嫁にきて、桜が嫌いな人と一緒に暮らして
だけど、あなたが思うより、ずっと私はあなたに甘えていたし、包容力っていうのとは
少し違うけど、あなたの膝でくつろぐ心地よさを感じていました。

一日、日なたにいるようなそんな。まるで猫のように。

もしかしたら、私は、この家に住む3匹目の猫のようなものだったのかもしれません。

おいしいご飯、ありがとう。
暖かいベッドをありがとう。
膝の上で頭をなでてくれてありがとう。
あなたを見上げたり、見下ろしたり、盗み見たり、まじまじ見たり、
そんなことが何よりかけがえのない幸せでした。

光生さん。ありがとう

お別れするのは自分で決めたことだけど、少し淋しい気もします。

でも、もし、またあなたをこっそり見たくなったときは、
あなたにちょっと話しかけたくなった時は、
また どこかで

















最高の離婚 結夏の手紙
by ayu_cafe | 2013-03-21 23:56 | ayuCafe TV Bar | Trackback | Comments(0)

幸せになるために好きになるわけじゃないから。濱崎結夏

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今クールの奇跡、
「最高の離婚」の中のセリフ。
by ayu_cafe | 2013-03-21 08:34 | ayuCafe TV Bar | Trackback | Comments(0)

家族はそのひとの一部。*石田さんちの大家族*

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石田さんちの大家族。


やっぱ泣く。



うーん、わたしは、少なからず
広告制作という、つくりものの
仕事にたづさわっているんだけど、

これ見ると、

この番組、この作品自体が、

いまある、なまぬるい広告、ドラマ、映画、小説、音楽に対して

あんたら、それ、やっばりつくりもんだよね、

と強力に言われてる気がしてしかたない。



それほど、人間のとらえかたが
圧巻だ。



たとえば、お父さん。

格段にお腹がでて、
仕事で偉いポジションについて
全国をまわって、
めっきり気迫が落ちて
長男にそれを指摘されて
あとでひとりでボソッと

りっぱになったな、
と酔っぱらってしみじみ。。


この老いと減力感、


なんだかわからないけど
たまらなく人間として
味わい深くて愛しい。

こんな俳優がいたとして、
こんな演技してたら、
惚れてしまう。


リアルな人間がどんなつくりものより
いちばん強い。



たとえば、おばあちゃん。

一人暮らし、認知症、
娘や孫たちがたびたび
訪ねてきて世話をやく。

でも、おばあちゃん、
こうなふうに言う。

新聞読んだって全部わすれちゃうし
生きててもつまんないよ
早くお迎えこないかな。


でも、孫が携帯で、おばあちゃんに、
自分の三歳の子供の声を聞かせる、

おばあちゃんが、ひ孫の名前を呼ぶ。

ひ孫が応える。

おばあちゃん、ひ孫に言う。


またおいで、

会いたいよ。










こんな虚無と愛情が連なる脚本
そうそう書けない。





たとえば、お母さん。

次男が、自衛隊に入隊する日、

次男の好きな煮込みハンバーグを
朝からつくる。

もう当分帰れない。
危険な仕事でもある。

次男、出かける。

お母さん、なにか声をかけたいけど。。

次男、すごく早足で
家からずんずん遠ざかる。

お母さん、がんばって
ついていくけど、
ついていけない、
ひきはなされる、

次男ふりむかない。


お母さん、追うのあきらめる。


ぼつりと、


行っちゃった。












新入りのディレクターが、
違和感ありまくりだったけど、


あるパートから、
家族と付き合いの長い
ベテランディレクターにかわり、
そのディレクターが、
兄妹を呼ぶときの、呼び捨ての感じの
近さに、ふいをつかれてぐっとくる。





この家族は、

安易に、

愚痴らない、
誹謗しない、
悲しまない。




末っ子の悪態や
長男やお父さんの
毒舌を見てると

これは、カメラの前での
照れなんだ、と気づく。


長男が一戸建てを建てたけど、

親の家は、あんなに古いのに、
自分は、調子にのってる、って
思われないか、気にする。



照れと謙虚さは、

そのまま、人間の品性をあらわしている。


どんなに部屋がちらかっていても。




石田さんちの魅力は、

あの照れる品性だと思う。






おばあちゃんには、ほんとは、
あんまり、おぼえてる、
おぼえてないの話しは
しなくても、と思う。


わたしは、育ての親のおばあちゃんの
認知症が進行してゆくとき、
一緒に日記書いたり、手紙書いたり、
電話したり、体操したり、いろいろ
したけど、まあ、忘れてもいいじゃん、
って思うようになった。

本なんか毎回新刊として読めるしね。

施設に入ってから、顔や手足を
あったかタオルでふいてあげてたら、
なにか気にいらないことが
あったみたいで、おばあちゃんが
すごく怒ったことがあった。

わたしを施設のスタッフだと
思ったらしく、あんたは、もういいっ
みたいなことを言ってたけど、

あらら、ごめんね〜なんて笑って
そのあと童謡のCDかけて
一緒に歌った。


忘れても忘れられても別にいい。

いままでの感謝が一杯だし、
わたしは、そのひとの一部なので。

家族はあらかじめ、つながっているので。


だからこそ難しいことも当然ある。



あのお母さんは、にっこり笑って言うだろう。

ま、でも、難しくても、
もめても、ぐれても、わがままでも、
家族は、最初で最後の場所だから。







番組終了直後の
ツイッターで、
こんなのがあった。




「石田さんち感動。
早くお家帰りたいな。」
by ayu_cafe | 2011-12-29 00:04 | ayuCafe TV Bar | Trackback | Comments(0)

家族と日常の力。*石田さんちの大家族2011*

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石田さんちの大家族。

石田さんちの番組が、いわゆる大家族もの、

っぽい感じがしないのは、

あの、お父さんと、お母さんの、なにか

人間的な品性みたいもののせいかなと思う。




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お母さんが、おばあちゃんが認知証との診断結果に、
「それなら、それで」とおばあちゃんちのコンロをIHに変える。


お父さんが、家庭と仕事とどっちが大事ですか、と聞かれ、
「今はこう(仕事の比重が大きい)だけど、
しょうがない、ずっとこうだよ、バランスとれてるひとなんて
いる?」と答える。


お母さんが、思春期の末っ子の暴言を受けとめる、受け流す。
世界で唯一、わがままが言える場所を、という方針を変えない。


お父さんが、「だまっていれば、つけあがるし、
うるさく言えば離れていくし、どうすりゃいんだよ」とぽつり。
(これは、妻と大笑いしてしまった、同じこと、夜な夜な言ってるので。)


そして、お父さんが、最後に言う。
「子供に一定以上を言うとただの愚痴になる。
子供がもし失敗してもそれは過程にすぎない。
子供は、いつも、過程。」




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うん、人間的な品性というのは、つまり、

愚痴を言うとか、自分の都合で誰かを悪く言う、責める、

自分だけを守る、ということがない、から、そう思うのかな。


そして、あるものごとに、必要以上に、

ひっぱられすぎない。ところも、そう思うのかも。




だから、部屋がとっちらかっていても気にならない。

精神性というのは、かくも高貴なものか。。




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しかし、こんなもの(番組)が、あったら、

家族もののドラマなんて作りづらいだろうなあ。



作家がつくりたくてもなかなかつくれない、

味わい深いシーンの連続ではないか。




久しぶりに実家に帰ってきた長男が

反抗期の末っ子に、あまりお説教はせず、

スエット姿で、腕相撲して、末っ子をころっと負かす。




四男が、実家に帰ってきて、お父さんに、

髪を切ってもらう。

(昔からやってもらってたし、お父さん、元美容師だし。)


※このシーン、お父さんの手つきもにぶってなくて、
すごくいいシーン。
マイクリーなら、どんな映像にするだろう。




おばあちゃんが、急須のふたに、

ジャーのお湯をそそごうとして、照れ笑いする。



自宅でねころんでいる長男に、一歳の子供が、じゃれて、

長男が足でからかう。



家を出ている長女と飲食店で久しぶりに会い、

話しをしようとするお父さんが、

カメラを気にして、筆談しながら、がんばれよ、と言う。



長女とお父さんの別れ際、

駅のエスカレーターにのってこっちにむかって手をふる

お父さんに、長女が、あぶないよ、と笑う。



彼女が出来た三男が、タロット占いで、マザコンと言われ、

それを、聞いたお母さんが、にやっと笑う。



兄弟がふざけて、すね毛にガムテープをはって

ベリッとはがす。悲鳴と笑い声。





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もちろん、ご両親の品性もあるけど、

そもそも

おばあちゃんのところひとつとっても、

編集が上手い。



家族や日常って、いくらでも、暗くおもく、切り取れる。


でも、そうしない、それを売りにしない。


家族や日常を、じっくり、気丈に、軽やかに、

切り取る。


そして、地に足のついた太い強さが伝わる。

元気がでる。



これは、そういう優れた作品だと思う。



この家族が、この制作チームが、

これから、いろいろなことに試される様子を、

悩み合い、協力し合う様子を、

自分のことと充分に重ねながら、

ずっと見て行けたらいいなと思う。





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by ayu_cafe | 2011-01-11 00:48 | ayuCafe TV Bar | Trackback | Comments(6)

すこし“引き”のカメラ。「竜馬がゆく」と「龍馬伝」

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「竜馬がゆく」を読んで、
むちゃくちゃはまってしまったのが15歳のころ。

ソフトバンクの孫さんも(と、もをつけるのはおこがましいが)、
15歳のころ「竜馬がゆく」を読んで、

竜馬は、あんなに行きたかった海の向こうの世界に
行けずに殺されてしまった、
でも、今は、自分は、行こうと思えば、行ける、
なら、行かなきゃ、と決めて、16歳でアメリカに渡った。



わたしは、アメリカには行かず、
ただひたすら、何度もその本を読み返した。


主人公のキャラクターもおもしろい、
日本の奇跡的な無血市民革命のキーマンだったという
史実も面白い。

でも、いちばん感じたのは、

これは、なにより、司馬遼太郎というひとの
書きっぷりが面白いなあ、

ということ。



で、なんども読み返す。

いまは、絶対にしないが、若気の至りで、
かっこいい、いい、と思った
くだりや、フレーズがでてくると、
文庫本のページの角を折っていく。

そしたら、大量のページを折っていた。
(上の写真は、折れてるところにピントを合わせているつもり)

で、折ったところを読み返す。
くりかえし。
15歳の夜がふけてゆく。
という感じ。





********************************





「龍馬伝」がはじまる時、

白洲次郎のドラマで大好きになった大友啓史さん(きゃーっ)が

チーフ演出をされると聞いて、期待MAXで放映日を待った。



でも、見始めて違和感を感じた。


龍馬が若い頃、地元の堤防づくりの監修役のようなものになるんだけど、

ぜんぜん村人が協力してくれない。

雨のふるなかどろだらけで絶望する龍馬。



そんな龍馬は、見たことがなかった。




ぐいっとひきこまれたのは、だいぶ終盤、

土佐の参政、後藤象二郎が出て来るあたりから。

この役者の面構えはいいなあ、と思った。

そして、カメラが、すごく、この面構えに惚れているように感じた。

西郷、桂、にくらべて

後藤は、たっぷり描かれている。(ように思う)



「龍馬伝」終盤のストーリーラインの肝は、

おそらく後藤と龍馬の関係性だと思う。



福山さんも言ってるけど、

最終回からふたつ手前の「土佐の大勝負」の回は、

実質上の「龍馬伝」のクライマックスだと思う。



豪快、横柄、奔放な、後藤像二郎が、

土佐の大殿様、山内容堂に、泣きながら

「次から次へと大事を成し遂げてゆく
あの男(龍馬)が、ねたましかったとですっ」

と畳に頭をこすりつけながら、叫ぶシーンはほんとうによかった。


ヒーローではない、ヒーローにはなれない、

われわれがそこにいた。



そして、大政奉還という奇策中の奇策を、

龍馬と後藤で、容堂公に、直訴し、受諾されたあと、

ふたりで、立ち上がり握手するシーン。



この回は、ラストシーンも素晴らしい。

大政奉還建白を、容堂公が受諾し、

大仕事のひとつを終えた龍馬が、

かつて、なにもかもに嫌気がさして捨てた

土佐の海を、浜辺で、満足げに見ている。


ふらりと、乙女ねえやんがやってきて、

ぽつぽつと話す。



龍馬が、

「この大仕事が終わったら、

みんなで船にのって、世界をまわろう」と言う。


ふたりで、砂浜に、枝きれで、世界地図の絵を描く。


このシーンを、カメラは、とても高いところから、

真俯瞰で、とらえる。


この「絵」が凄まじくいい。


oasisのall around the worldのシングルのジャケットみたい。





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俯瞰。


そう、龍馬伝に最初に感じた、違和感と、新しさは、

ならべく俯瞰でこの人物を捉えているところだ。



最近、竜馬がゆくを読み返したら、

おそれおおくも、この本のほうに違和感を感じてしまった。


ヒーローという前提のヒーロー活劇になっている。


これは、エンターテイメントとして大事だし、

15歳の男の子を夢中にさせることこそ、物語の真髄と言えるかもしれない。



でも、いまのわたしが読むと、

作者が主人公を好きになりすぎている、と感じた。



いままでの龍馬モノの多くは、みんなこのラインだった。

幕末に、ブーツとピストル、自由な生き方。。



後藤象二郎が、気になる、龍馬モノなんてなかった。

(竜馬がゆくでも、後藤象二郎のくだりは、
あまりにも、さらりと進んでゆく。)




「土佐の大勝負」の回で、もうひとついいシーン。


明け方、絶妙な蒼い空気の中、

縁側で山内容堂が酒を飲んでいる。

「武士の世を終わらせるか。。」

とつぶやいて、

側にいる後藤に杯をわたし、無言で酒をついでやる。


後藤が、感無量のまま、酒をのみほす。


やっぱ、後藤、いいわ。




と、こんな感想が出てしまう龍馬モノは、なかった。







*******************************





思えば、大谷演出の肝はlive感だと思う。

カメラがいつも、俯瞰気味にすこし引いて、

空気もろとも、とらえようとする。


だから、光や海や、殿様の間の水平ラインの美しさが

印象に残る。

ドラマの記憶が、実際の記憶のように残る。


※大谷さんの捉える海の「絵」は、ほんとうにいつも美しい。



これから数時間後にはじまる最終回の

暗殺者のキャスティングは、

ブランキージェットシティの中村達也

SION(!)

そして、ドラマ白洲次郎で、青山二郎役を

怪演した、歌舞伎の市川亀治郎。


liveと言えば、これ以上のliveは、ないのではないか。

楽しみ。





****************************




「龍馬伝」の龍馬は、

堤防づくりで、村人がゆうことを聞いてくれなくて絶望している。

長州に、薩摩に、土佐に、長崎のグラバーに

何度もあたまを下げて、交渉、調整をしている。


大変、大変、おこがましいけど、

いま、組織づくりで、くたくたになっているわたしにとっては、

他人事とは思えない。


ヒーローがその天賦の才能で、問題を解決、

という感じではないので、逆にひきこまれる。




外敵がそこまで来ているときに、

自らの小さな藩レベルの範疇にこだわる。

プライド、保身。

どうして、国レベルで、世界的な視野で

ものを見れないのか。



龍馬は、あたまをさげて、ことが進むなら、

どんどん下げる。

※プライドが命の武士の時代に
このメンタリティがすごいし、
この描写も素晴らしい。


グラバーに、

で、あなたの取り分は?

と聞かれる。


福山龍馬があの笑顔で答える。


「私心があっては、志(こころざし)とは言わんキニっ。」



龍馬にももちろん、私心はある、

国際貿易という夢がある。

でも、自らのビジョンや自らの環境づくりのためには、

私心や小さなプライドを大事にしていては、たどりつけない。



自分の業務範囲はここまで。

自分の組織範囲はここまで。

言われていない。

決まっていない。

プライドがゆるさない。

人同士、組織同士の激しい嫌悪、憎悪。



これでは、外敵がそこまできているのに、

内紛でいきりたつ幕末の諸藩と同じだ。。




*************************



俯瞰の視点。

すこし“引き”のカメラ。




龍馬のような人物が、国際的視野と

当時、相当急進的だった民主主義の思想を体得し、

俯瞰の視点で、市民革命に従事したことは、

歴史上の奇跡のひとつだと思う。

その奇跡から、現在がもたらされているのだとすれば、

これもまたひとつの幸運かもしれない。






「土佐の大勝負」の回で、

山内容堂が龍馬に言う。

「おまえの仲間、武市半平太を切腹させたわしが憎いか?」



龍馬がこたえる。


「憎いです。

この土佐の古いしくみが憎いがです。


でも、母上は、わたしに教えてくれました。


憎しみからは、なんちゃあ生まれやせん、と」







やっぱ、あの回が、クライマックスだ。
by ayu_cafe | 2010-11-27 14:06 | ayuCafe TV Bar | Trackback | Comments(2)