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かきおき

おっちょこちょいな性格なので、
会社では、できるだけ気を張って
いるんだけど、
家に帰ると、緊張がゆるみ、
なにかと妻には迷惑をかけている。

先日も、クルマで外出して、
帰ってきて、クルマのカバーを
かけて、家に戻って来たとき、
クルマの中に財布を忘れたことに
気づいた。

「とってきなよ」と言う妻に、
「いいよ、明日の朝、取り出して、
そのまま会社行くよ」と言うと
「そう言って、この前、出すの忘れて
財布なしで会社行っちゃったじゃん」と妻。
ま、そういう前科もなきにしもあらずだけど。。
結局、朝、出すことに。。

翌朝、出勤前にバタバタとしながら、
妻が、
「忘れないように、ここに書いとくからねっ」
となにか書いて、テーブルの上に置いて、
出かけていった。

かきおきの隣には、
いつも汚れたカバーを触った後で使う
ウェットティッシュが置いてあった。



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by ayu_cafe | 2007-08-31 02:40 | かぞくのこと | Trackback | Comments(2)

いちばんプライベートなささやきが、いちばん遠くまで届く。

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10数社の競合で勝ち取った
広告が、全国のJRと私鉄の駅や車内を
ささやかに賑わせている。

モデルは、隣の席の同僚の小さな娘さん。

掲載後、その同僚のもとに、
一通のメールが届いた。

>帰りの武蔵野線に飛び乗って、
>ふと見上げると○○(娘さんの名前)
>のポスターが中吊り広告になっていました。。

同僚のお父さん、娘さんのおじいちゃんから。


仕事帰りの電車に飛び乗ると、
中吊り広告で、孫が笑いかけている、
っていいなあ、と思う。

全国を網羅するマス広告を
このおじいちゃんのような
たったひとりの「にっこり」のために、
使うのって好き。


たったひとりに届くメッセージこそが、
何億人にも届くはず。


娘さんの写真は、家族に撮ってもらった。
小さな娘さんは、不特定多数の相手
ではなくて、いちばん信頼できる相手を、
見つめている。話しかけるように。


いちばんプライベートなささやきが
いちばん遠くまで届く。

これからも、もっと恥ずかしくて、
もっと血液の温度が感じられるものを
つくらないと。。
by ayu_cafe | 2007-08-29 00:46 | 仕事もしてます | Trackback | Comments(2)

一粒の財産。

少し前に、会社から急に要請があり、
ある別の大きなプロジェクトの
先方との会議に参加してくれ、
と言われた。

そのプロジェクトは、大詰めの段階だったが、
いろいろと上手くいっていないことがあり、
修復・改善のために急遽投入された。

ただ、悪いけど、自分の
大きなプロジェクトも2つ
かなり大詰めだったので、
少なからず胃が痛くなった。

そもそも途中から、
別のプロジェクトの会議に
あらわれて、いろいろ言うにしては、
その内容、経緯に関して
勉強しなければならないことが
多すぎるし、かえって、
中途半端な人間が登場するのは
先方にも失礼なのでは。。
などと思いながら、
急遽、勉強。。。


会議は、先方の研究所で朝イチから
はじまるので、
地元の駅で朝、5時50分の電車に乗り、
東京から新幹線に乗らなければ
ならなかった。


当日の朝、プレッシャーで
ドキドキしながら、
出かけようとすると、
母が、起きてきて、
「何か食べたの?」と聞いてきた。

「食べてない」と言うと、母は、
「ちょっと待ってて」と言って
台所の方へ行って、しばらく
してから戻って来て、
ビニールの小さな包みをくれた。
急いでいたので、「ありがとう」
と言って鞄にしまい、すぐ出かけた。


電車で包みを開けると、
中身はこれだった。






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サランラップと、アルミホイルにつつまれた
とれたての庭のトマト。
軽く塩がふってあった。


中学生くらいの自分だったら、
「電車の中でこんなの食べれっかよ
恥ずかしいなあ。。」とか思ったかな。。

いまは、これは財産だな、と素直に思える。
ガタゴトと揺れる早朝の電車の
金属質な空間で、裏庭の菜園の
青々とした蔦からこぼれる
朝の木漏れ日を思い出す。
そこで、トマトをもいでる母と、
菜園の土を一年中耕してる父の
ことを思い出す。

(いただきます)と思いながら、
一粒のミニトマトを
汁が飛ばないように
ゆっくりがぶりとかじる。
人目も気にせず。

口の中に甘みがひろがる。
口の中に勇気がひろがる。

今日の会議は、できる範囲で、
できるだけやってみよう、と思う。
by ayu_cafe | 2007-08-26 00:05 | かぞくのこと | Trackback | Comments(10)

さらさらと水が流れるように、みちびかれる途中。

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↑こんな感じのひととお会いした。

(フランス、オーヴェルの藤の花。)


Parisの一人暮らしの紗季さん。
ヴァカンスでパリから帰国中。


表情豊かにお話しされる
紗季さんの中に、
日本とフランスの大学で
何年も研究に取り組まれてきた
フランス文学との濃厚で
プライベートな関係性があり、
パリのバスの中で、
鮮やかなミモザを抱えた
ご夫人の笑顔があり、
お誕生日をお祝いしてくれる
パリのご友人たちの笑顔があり、
戸締まりを頼まれたシャトー(!)の
静寂があり、
あしげく通われているバレエや
オペラの臨場感があり、
同居人くんのお母様が
同居人くんにもたせる
愛情のこもった食べ物の重みがあり、
次のひとのためにあいた扉を、
手でおさえてあげていたり、
バスで女性に席をゆずったりする
パリの人間的なマナーがあった。


お会いした後、
水が上から下にさらさらと
流れるように、すたすたと歩き、
大きな書店をまわって、
お話にでてきた作家の本を探した。
教えてもらった翻訳者による
本を見つけ、読んでみると、
たしかに読みやすくてよかった。

お話ししながら、メモった
女性の作家の本は、やはりなかなか
見つからなかった。
作家の名前を頭のなかで
繰り返しながら、本屋さんを
まわっていると、
なんだか、呪文みたいだ、と
思った。
たぶん、何かの呪文なんだろう。


にわかに、興味が出て来た訳では
なくて、おそらく、フランスに
何度も行ってしまうように、
なにか、大きなものに
みちびかれているその途中、
という実感がしてしかたがない。

もっとフランス文学の森を
覗き見してみたいし、
次のフランス行きでは、
バレエも見てみたい。
そして、もっと自然に気遣いができる
人間的なマナーを身につけないと。

お会して、そんなことを思った。


ちなみに、「おいしいっ」と
ししゃもを手に持ち、笑う紗季さんに、
「その状態、写真に撮って、ブログに
アップしてもいいですか」と聞くと、
紗季さん、すかさず、「じゃ、これで」
と言って、ししゃもで
目を隠していた。。(笑)

う〜む。。まいる。。


実は、うすうす予想していたけど、
紗季さんとは、同じ駅だった。

ちょっと、真夏の夢みたいだった。
by ayu_cafe | 2007-08-23 07:31 | Trackback | Comments(2)

ねこはなんでも知っている。

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ねこは何でも知っている。

おろしたてのパジャマが
きもちいいことも。。
by ayu_cafe | 2007-08-21 06:01 | ayuCafe ねこ Bar | Trackback | Comments(6)

海辺の断崖のレストランテで、レモンソルベがゆっくりと溶ける。

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かわいた夏の夕暮れ。
妻の誕生日をするために、
七里ケ浜の断崖をのぼった
イタリアンレストランへ。

西の空が黄金色に輝くのを、
クルマのバックミラーでちらちらと見ながら。

江の電の線路をまたぎ、
草木が茂る細い静かな崖の小路を
のぼりきると、
オープンテラスのレストランが
あらわれる。

にぎやかな会話。
食器の音。
ウェイターの声。
眼下の波の音。

気持ちのいい風。
シルエットになる江ノ島と富士山。
海沿いに連なる、
心地よく疲れた赤いテールランプ。

まずは、スプマンテで乾杯。
暑かった夏の日の夕方、
甘い飲み物が身体にしみこむ。

だんだんあたまがからっぽになってきて
景色と波の音と料理の味覚に
たぷんたぷんと気持ちよく揺られる。

ん?ここ味、変わった。。
しかもよくなった。。珍しいなあ。。


夕闇が濃くなるにつれ、
波の音が大きく聞こえる。


西の空に、最後まで、
富士山の美しいシルエットが残る。

夏のこの時期は、毎日のように
どこかの海岸で花火大会があって、
以前、ここからも見たことがある。

でも、花火があがらない、
静かな夕暮れの湾も、かえって
味わい深い。


ウエイターが蝋燭のランプを
それぞれのテーブルの上に置くと、
たちまち夜。

海沿いの渋滞がほどけてきて、
暗い海に、白い波頭がひらめく。


ドルチェは量があるのでひとつ。
レモンソルベ。
半分くらい味わって、あとは、
溶けるままにまかせて、
夏の湾をながめる。



帰りのクルマで、
葉山のマリーナから放送している
湘南ビーチFMを聞いていると、
ブルースが続けてかかる。
へー、珍しい、と思う。

ボ・ディドリーが歌い、
ハウリング・ウルフが歌う。

真夏の夜の漆黒の海のように
豊潤な音楽。


それから、しばらく、
断崖のレストランのテーブルの上で、
ゆっくりと溶け続ける
レモンソルベのことを
ぼんやりと考える。












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by ayu_cafe | 2007-08-19 05:55 | 海辺の生活 | Trackback | Comments(14)

迎え火、送り火。

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お盆の東京はあからさまに空いている。
終電近くの電車なら、なおさら。

まだまだみんなお盆に休むひとって
多いんだな、と思う。

がらんとしたお盆の夜の電車に
揺られながら、ipodで、
「ゴースト・オブ・トム・ジョード」
というアルバムを聞いている。

ちょっといろんなことが
少しづつ重なり、ずしっと
疲れてしまった。

ジョン・スタインベックの名作の
主人公が亡霊となって登場する
ストーリーを、歌い手が、訥々と
紡いでゆく。
いつの間にか、うとうととする。


***************


ふと気がつくと、電車が見なれない
駅に停まっている。
慌てて降りる。2駅乗り過ごした。
こんなことめったにないのに。。
反対側のホームには、明かりの消えた
電車が死んだように停まっている。
もう戻る列車はない、よな。。
がらんとした薄暗いホーム。


***************


財布の中身をたしかめて、しかたなく、
異常にひとの少ない駅前から
タクシーにのる。

会話もなく、ラジオもついていない。
メーターとは別のなにか、
カチ、カチ、という音が
定期的に聞こえる。

運転手さんは、
まったく知らない道を通る。
こんな道あったっけ、と思う。


***************


いつもの駅につき、
自転車置き場で、自転車に乗ると
朝から調子が悪かった後輪が
完全にパンクしてる。
しかたなくキコキコと
自転車を押して、誰もいない
海へ続く一本道を歩いて帰る。

深夜一時過ぎ、夜空には
雲がたくさんでていて、月が陰っている。
むっとした過剰な暑さは、
魂の圧力みたい。

いま、「何か」とすれちがっても
まるで不思議に思わないだろうな。

でも、もし、うらめしいとか、
無念とか、「何か」に言われても、
「いやいや、生きてるのも
けっこう大変ですよ」
って、きちんと説明しようと思う。


***************


キコキコと自転車を押しながら
考える。
お盆のとき、山梨の母方の「いなか」に
しっかりと帰らなくなったのは
いつからだろう。
それでも毎年、お盆の何日かには
帰るようにしているんだけど。。

「いなか」のお盆は盛大だ。
祭壇をつくり、仏壇から位牌を
移動し、そこに配置。古い、提灯、灯籠、
掛け軸、燭台、などを飾り、なすや
きゅうりに、葦の幹をさして、
馬をつくる。
十万億土を帰るときのために。

13日に迎え火をたいて、
16日に送り火をたく。


***************


魂の密度の濃いお盆の真夜中を
自転車を押して歩きながら、
明日は、送り火だな、
と思う。
by ayu_cafe | 2007-08-16 03:27 | | Trackback | Comments(2)

葉月・8月のめじるし

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8月の我が家のめじるしは、
この木槿(むくげ)の花。

今年は、あまり枝をはらわなかったので、
たくさん咲いたそう。

この木槿をめじるしに、
迷わずに、来てくださいね。

地上のひとも。
天国のひとも。


葉月




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by ayu_cafe | 2007-08-13 04:56 | | Trackback | Comments(4)

夏の命の甘み

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菜園の土壌は、父が一年にわたってつくる。
落ち葉や、栄養を幾重にも重ねてつくる。
雨の多い日は、カバーをかけて、
土の養分が流れ出すのを防ぐ。

春から夏にかけて、まずは、
つたをからませる棒をひもで
きゅきゅっとむすび、用意スタート。

最初は、きゅうり、ごうや、トマト。。
となりの棚では朝顔たちも負けじと
すくすく。。かぼちゃも、すくすく。。

母が台所の木戸をぎぎっと開け、
サンダルをはいて、食べごろのトマトを
籠の中にごろんごろん、
台所の水で、ばしゃばしゃ。

かぶり。。

とれたての夏の命の甘いこと。。


どこかで、誰かが、あのお店、
おいしいですよ、みたいなことを
話してるのを聞くと、
いつも、この菜園のトマトのことを
まぶしく思い出す。

夏のしゃきっとした命のことを。

ねえ、ねえ、命って甘いんだぜ。。
by ayu_cafe | 2007-08-08 00:59 | 花と樹と庭のこと | Trackback | Comments(8)

ギラギラとこぼれるように、夏は突然やってくる。

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何度名前を聞いても
覚えられない亜熱帯な花が、
この夏、はじめて、こぼれるように咲いた。

花を植えたのは、30年くらい前、
両親は、咲かないねえ。。と
ずっと思っていたそう。

30年目の開花。。ふむふむ、
励まされるね〜。。
もうちょっとがんばってみるか。。


どうやら夏は突然やってくるみたい。
ギラギラとこぼれるように。

油断できません。
by ayu_cafe | 2007-08-05 23:51 | 花と樹と庭のこと | Trackback | Comments(10)