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コート着て海にいく。

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100円、ひろった。
by ayu_cafe | 2012-03-28 03:09 | 海辺の生活 | Trackback | Comments(2)

melencolia. フランシスとルルーシュ

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フランシスとルルーシュ


ルルーシュが入院してから
フランシスは学校が終ると
プレゼントもって病院へ
今日は なにを見せてあげよう
今日は なにを見せてあげよう


ルルーシュは、とても感激屋
だからフランシスはうれしい
ルルーシュが笑うと世界が
明るくなったようにおもう
明るくなったようにおもう


ほら フランシスが今日もゆく
ほら ルルーシュのとこへゆく



ルルーシュにもってゆくもの
木の実やカードや花やビーズ
いろいろ書いたノートは
一日 一頁づつ読んで
一日 一頁づつ読んで


ルルーシュの機嫌が悪いとき
フランシスは家で強く思う
ルルーシュのからだを包む
光が守ってくれますように
光が守ってくれますように


ほら フランシスが今日もゆく
ほら ルルーシュのとこへゆく



フランシスには、ともだちは
ルルーシュだけでよかった
ルルーシュによろこんでもらうため
今日は なにを見せてあげよう
今日は なにを見せてあげよう


ルルーシュが天国に行ってから
フランシスは花を育てはじめ
ルルーシュのお墓に届ける
今度は どんな花咲かそう
今度は どんな花咲かそう


ほら フランシスが今日もゆく
ほら ルルーシュのとこへゆく
by ayu_cafe | 2012-03-22 06:51 | Trackback | Comments(0)

祖母を送る。

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我ながら最低だと思うことがある。


祖母には、花と樹がうっそうと茂る山梨の家で、
0歳〜6歳くらいまで育ててもらった。

両親と神奈川で暮らしはじめてからずっと
祖母からよく電話がかかってきていた。


生意気になりはじめ、無自覚、能天気、
自意識過剰の小中学生の自分は、
祖母からの電話に、そっけない対応をしていた。
祖母は山梨の家の花のことをたくさんしゃべっていた。
何と何の花が咲いたよ、というようなこと。
素っ気なく聞いていたので、
ほとんど覚えていない。


まったく、最低だ。


小学生のころ、TVを見ているときに
祖母から電話があり、TVの音を下げずに
電話で素っ気なく話していた。
「祖母が映画みてるの?」と聞いていた。


いま、素っ気なく対応されたりすることも
いろいろな場面であるので、
どんなに傷つけたかよくわかる。


そういうことは、
あとでなにをしても埋められない。
晩年、調子が悪い時、会社から度々電話をかけても、
海辺のレストランや本屋さんに連れていっても、
認知証がすすまないように手紙のやりとりをしても、
施設に入ってから、写真集をつくったり、
手紙が連載してるみたいなノートを
ひとつづつ読んでね、といって置いていっても、
毎年、誕生日に、花束と一緒に祝っても、
埋められない。


あの時、TVのボリュームを下げればよかった。




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先週の木曜日の夜、山梨の叔母から、
栄養剤の点滴が、血管に入っていかないので、はずした
と連絡を受けた。
それでも、心臓は動いている。

ものがのみこめなくなってから、栄養は、点滴だけになり、
思ったのは、生命力、すごいな、ということ。
ずっと心臓は動き続けていた。

血管が循環しなくなったら、もうまもなくだろうと
とのことだった。


その晩かもしれないし、次の晩かもしれない。
3日後かもしれない。


その晩、深夜、一時半頃、ブログに、
「時間になったらダンスをしよう」という曲をアップした。

そして、特に何かのタイミングに合わなくても、
こころのこもった花々が祖母の近くにあるといいなと
思って、仙台のまぎさんにお花をお願いするメールを書いた。





*****************************



まぎさん

こんばんは。
夜分すみません。


明けて今日は、tacaさんのライブですね。
どんな空間演出になるのでしょう。


落ちついたらで構いませんので
お花のオーダーさせていただけますでしょうか。



実は、育ての親の山梨の祖母が
旅立つ準備をしているらしく、

どうも明日にも、という
知らせを受けました。


最後に、まぎさんのお花を
そばにおかせていただければ、と
思いメールいたしました。



(略)



最近、よく思い出すのは、
幼稚園か、その前、祖母とよく
テレビのお母さんといっしょ、かなにかの、
踊りの番組のとき、
いっしょに掘りごたつのまわりをまわりながら
踊っていたことです。

とにかく感情表現が豊かで花が好きで
感激屋の祖母で、いつも楽しかったんです。笑


なにかそのようなイメージで
楽しいありがとうのお花を
お願いできますでしょうか。



*****************************





「時間になったらダンスをしよう」という
小さなとき、祖母と踊ってたことを曲にした記事を書き、
まぎさんにメールを送ったちょうどその頃、
祖母が旅立った。




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翌朝、朝からふたつ、大事な打ち合わせがあったので、
早く会社を出た。

亡くなったからといって飛んでいってもしかたない。

近くで、毎日看護していた叔母やいとこたちに、
遠くおよばないが、経過は見てきた。

わたしのことを認識しなくなった。
花や写真に反応しなくなった。
食べ物を飲み込めなくなった。
手を握りかえさなくなった。
少しづつ長いお別れをしていた。

この一ヵ月くらいは、短い間隔で、
山梨に行っていた。

もうこれで、多分会えるの最後かな、というとき、
最後に言葉をかけた。
でも、相変わらず、気の効いたことは言えなかった。
「じゃあね」なんて言った。

そしたら、そのとき、祖母が、
ぐっと反応して、こちらを向いたので、
伯母さんも、「いま、反応したよね?!」
とびっくりしていた。



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2つ目の打ち合わせは、社長とクライアント先で集合だった。
移動中、山梨から家族葬の段取りの連絡が入った。

その日の17時に家族だけでお通夜をするとのこと。

大事な打ち合わせだったから迷ったけど、
社長に頼んで、山梨に、行かせてもらうことにした。
社長が快諾してくれ、ありがたくて、これは、今後、
改めてがんばらないと、と思った。




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打ち合わせ先で、駅にひきかえし、
駅ビルで、買い物をした。
まぎさんのお花は、ゆっくりでも構いません、
とお願いしたので、
お通夜のお花を、駅ビルの花屋さんでつくってもらった。
「明るく楽しいやつを」とオーダーした。

いちばん看護に徹してくれた叔母用の
花束も買った。

苺のタルトを買って、
マカロンを買って、
シャンパンを買った。

お年寄りを送る会は、
お疲れさまの会なので。

雨の日だったから、荷物は
大変なことになった。

でも、両手にかかえきれないおみやげをもって
里帰りするのっていい感じだった。



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まぎさんからは、メールをお送りした翌朝
すぐにお返事をいただいた。



***************************


丁度今市場におりましたので、ミモザなど春の明るい色のお花ご準備できました。

心を込めて作らせていただきます。


***************************



わたしの返信。



***************************


まぎさん

ありがとうございます。

ミモザ、いいですね。

昨夜、メールをお送りした頃
旅立ちました。
せっかちは昔からで。
今頃祖父と待ち合わせしてると
思います。

シャンパンとイチゴのタルトを
買ったのでこれから山梨に向かいます。
お年寄りのお葬式は
お疲れさま会ですね。

いつも本当にありがとうございます。


***************************



まぎさんは、凄いはやさで
お花をつくっていただき、山梨に届けてくれた。
(突然のオーダーで本当に申し訳なかった)

まぎさんのお花には、いつも
まぎさんのメッセージカードがついているんだけど、
それが、手書きだったので、
急いで作ってくれた感があってありがたかった。

カードは、送り主が私で、
宛先は祖母の名前で、
日付も入っていて、旅立った日だった。

天国に旅立つちょうどその日に
自分宛の花束が届くってどんな気持ちだろうと思った。



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まぎさんへのお礼の返信。



***************************


まぎさん

受け取りました。

家族葬だったので、
祖母の部屋で
納棺するときも
骨壺を前に
お経をあげてもらうときも

まぎさんのお花が、
祖母の写真のすぐ隣で
ずっと感謝とお疲れさまと
いままでとこれからの春を
彩りつづけてくれていました。

祖母に

ちょっとがんばるから
見といてよ

と素直にお祈りできました。


素早いご対応、創造的な彩り、
丁寧なメールのご返信、

感謝で言葉がありません。


きっとどすんとこれから
ことの大きさをからだが
認識してくるとは思いますが、

まぎさんの作品と
ご対応の記憶が

ぐっと引き止めてくれると
おもいます。

ありがとうございます。



***************************




心をこめたつくりものは、

もってかれそうになるとき、
落ちて行きそうになるとき、
強くつなぎとめる。


と思った。











母は、神奈川の庭からいくつか春の花を摘んできて、
湯のみに入れてお線香の近くにちょこんと置いていた。

この感覚にも、相変わらず、かなわないと思う。

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そういえば、数週間前、
祖母の容態が相当悪い時が続き、
叔母と母が看護しているときがあった。

わたしは、様子を聞く電話を山梨の母にかけた。

容態の悪い家族を、看護する家族への電話は、
重いし、その他に話すことにも困る。


ふっと、わたしは、こんなことを
母に話しだしていた。


「庭のね、福寿草がずいぶん咲いたよ、
クリスマスローズも咲いて来た。
ムスカリもずいぶん出て来たね。」


祖母が昔わたしに電話で話していたことみたいだ、
と後から思った。




花の好きな楽しい祖母の、
なにかは、引き継がれているものと、
せめて思いたい。



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by ayu_cafe | 2012-03-19 00:48 | Trackback | Comments(16)

melencolia. 時間になったらダンスをしよう

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時間になったらダンスをしよう


時間になったら
ダンスをしよう
誰も見てないから
楽しく


はやくはやく来て
ダンスをしよう
草花 手入れの
手をとめて


胡桃の葉が透ける
木漏れ日が揺らめく
水路に届くのは
山の季節 ひんやりと


時間になったら
ダンスをしよう
誰も見てないから
楽しく


草花 手入れの
手をとめて
by ayu_cafe | 2012-03-09 01:34 | Trackback | Comments(0)

仕立てたものは どんなものでもみんな 自分の誇りにも 恥にもなる

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繕い裁つ人
池辺葵



ああやっぱり
この人の服は
善意で満ちている



年々柔らかくなって
体に沿ってくる
生地と仕立ての良さは
一ヵ月もすればあきて
売ったり捨てたり
する者にはわからんよ

10年20年
同じ服と
連れそうて行けるのが
どんなに幸せなことか



夢見るために
洋服をつくってるんです。
生活感出してたまるもんですか。



自分の美しさを
自覚してる人には
私の服は必要ないわ。



着る人の顔が見えない
洋服なんて作れないわ。



スカート
よく似合ってるわ

じいさんが喜んでねえ
ランチ連れてってくれるって



おやまあ
ゆきちゃん
めずらしくきれいな
格好しなさって
器量よしなんだから
いつもそれくらい
お洒落にしとかんと
着るもんで
心の持ち様も変わるんだから



皆コンプレックスだらけで
それでも少しでも
きれいに見せようと
一生懸命なの
とても健気で
愛しい人たちだわ



祖母が言ってた
お洒落は自分のためにするもの
でも
とっておきの服は
たった一人の誰かのために
着るもんだって



お客さんが
気を許してくれる時が
一番嬉しいのよ



あのドアを
開けてくれた人は皆
わたしにとっては
お客様なのよ



初めて佳子さんとこに
行った時にね
300円のクリーニングを
お願いしたら
200円のお返しですって
片手を添えてとても丁寧に
渡してくれてね

有難うございますって

たった300円の客の私に
深々と頭を下げるのよ

なんて美しい人だろう
って思ったわ

こんな人には
どんな華やかな服も
役不足だって



これはまるで
慎み深く高潔な
淑女のようなドレスだ



なにもかも伝えないと
いけないんでしょうか



技術があってこそのセンス



わたしの祖母は
病床でも
わたしの仕立てに
文句をつけて
手縫いで指導してきましたわ

震える手で
それでも縫い目は
少しも乱れないんです。



市江さんは
服のことより
着る人のこと考えてるから



こんなに丁寧に
縫い込まれた糸を
ほどくのか



ただ僕は
あの人の作り出す服を
もっと見ていたいだけだ



仕立てたものは
どんなものでもみんな
自分の誇りにも
恥にもなる

おまえも
ようく
肝に銘じておおき
by ayu_cafe | 2012-03-08 10:41 | Trackback | Comments(2)

三月の朝食の花。ムスカリの袖口。

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朝食の花。

庭のムスカリ。

ムスカリの袖口。


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今日も、日に新た。
by ayu_cafe | 2012-03-08 10:22 | Trackback | Comments(2)

melencolia 日に新た

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日に新た

もっていけと
いらないよとけんかして
いつも

結局 かかえ
きれないほどの荷物
かかえて


途中で食べる
ようにってだいすきな
煮たまご

恥ずかしいよ
って怒りながらつめる
かばんに


朝もや
日に新た
朝もや
日に新た



よくかかってくる
電話に無愛想な
相槌

庭に咲いてる
花の名前たくさん
言ってた


ほんとにつらい時に
慣れない電車
乗り継ぎ

ひとに聞きながら
煮たまごたくさんもって
来てくれた


朝もや
日に新た
朝もや
日に新た



何度も聞いた
ルイのラビアンローゼズ


辛いことも
たくさんあっただろうにね
って泣いてた


夕べ病室で
小さなボリュームで
聞かせた

ラビアンローゼズ
太陽のまばゆい
恵み


朝もや
日に新た
朝もや
日に新た



電話で言ってた
花の名前思い
だして

近くて遠い
その庭に彩り
こぼれる


もっていけと
いらないよと
けんかして
いつも

結局 かかえ
きれないほどの荷物
かかえて


朝もや
日に新た
朝もや
日に新た
by ayu_cafe | 2012-03-05 08:32 | Trackback | Comments(2)

決めたもん勝ちや ヘタレはヘタレで泣いとれ うちは宝もん持って生きてゆくよって。

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人が死んだだけで
うちはな~んも無くさへん
決めたもん勝ちや

ヘタレはヘタレで泣いとれ
うちは宝もん持って生きてゆくよって。



カーネーション

オノマチ糸ちゃん
最後回。


小林薫、の善ちゃん
いい顔だったなあ。

小林薫、と、こうやって文字を打っていて
鳥肌がたつ。

脚本の渡辺あや、ずるい。


おばあちゃんの認知証のエピソードに
めぐみさんの悶絶くっつけるのも、
渡辺あや芸。


こういう毎週、神週なドラマを
つくって、進めて行く
脚本家やスタッフってどんな気持ちなんだろう。



決めたもん勝ちや

ヘタレはヘタレで泣いとれ
うちは宝もん持って生きてゆくよって。



基本的に、観終わった後は
妻と、岸和田弁でしゃべってる。
by ayu_cafe | 2012-03-03 09:39 | Trackback | Comments(4)

ええ服は 品格と誇りを与える 品格と誇りが与えられて はじめてひとは希望を得られる

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ええ服は
品格と誇りを与える
品格と誇りが与えられて
はじめてひとは
希望を得られる




今朝のカーネーションでのセリフ。
オノマチ糸ちゃん、最後週。



写真は
買い物帰りに買った
スイトピー。

一階(親世帯)と
二階(子世帯)に
ひと束づつ。
by ayu_cafe | 2012-03-02 10:39 | Trackback | Comments(0)

夜が深く長い時を越えて You′ve got to get into the groove.

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これを読むとなぜか、
もっと自由にもっとやわらかく
もっと傷つきながら
もっと貪欲に、
ことばを、音楽を、風景を、
表現を求めていいんだ、と思える。

やるせなく悩ましい日々、
夜が深く長い時、
我ら時を行く。
You′ve got to get into the groove.

小沢健二 ひふみよ





転載させていただきます。




小沢健二「ひふみよ」雑感44






ある光

ーーで、「ある光」はサビのところを弾き語りでちょっと歌っただけだったね……。

「この線路を降りたら全ての時間が魔法みたいに見えるか? 今そんなことばかり考えてる なぐさめてしまわずに」「この線路を降りたら虹を架けるような誰かが僕を待つのか? 今そんなことばかり考えてる なぐさめてしまわずに」 この16小節だけでしたね。確かにもの足りないっちゃもの足りない。フルレングスでやろうと思ったらやれない理由はないはずなんです。あの手練のバンドで技術的にできないはずもないし。またはやりたくないならぜんぜん触れなくてもいい。「ある光」のこの特殊な扱いは、かえってこの曲の重要さを際だたせることになったと思います。それが何を意味してるのかはわからないですけど。

ーーうーん、でも単純にもっと聴きたかったよね。

まあそれはそうですよね。でもどうかな、この16小節を聴けただけで満足って気もしてます。フルで聴いたら胸がはりさけてどうしていいかわかんなくなっちゃうと思うし(笑)。

時間軸を曲げて(新曲)

そして「ある光」に続いて演奏されたのが「時間軸を曲げて」という新曲。

ーーどことなく「ある光」っぽい気がしたね。

確かにそうかも。曲調もシリアスだし。ただ歌詞に関してはこれまでと一線を画す表現が多かったですよね。「ありがとうという言葉で失われしものに誓うよ 磯に波打つ潮よりも濃く 我の心はともにあると」って。他にも蛇遣いがどうとか砂漠がどうとか。そもそも一人称が「我」ってどういうことだよ、って話ですけど。

ーーうん、でもこの曲すごくかっこいいよね。

ですよね。ぜひ音源リリースしてほしい。

ラブリー

でも英語の歌詞を日本語に置き換えるっていう目的はあったにせよ、「感じたかった僕らを待つ」が今の気持ちを高らかに歌うための歌詞だっていう話は、実際そうなのかもなって思いました。

ーー「僕らを待つ」って、何が待ってるの?

すごくあっさり言うと、恋人だと思います。本当の恋人と本当の思いを伝え合って感じ合う、そんな時間を待ってるってことじゃないかな。

ーー「完璧な絵に似た」のほうは?

「CAN'T YOU SEE THE WAY?IT'S A」の置き換えとしてはバッチリなフレーズだし、意味的にもすごく合ってますよね。やっぱり「感じたかった僕らを待つ」相手は「完璧な絵に似た」誰かじゃなきゃって思う。または「完璧な絵に似た」世界に飛び込んでいきたいってことだと思う。このコンサート自体が完璧な絵に似た数時間だったっていうのも感じるし。

愛し愛されて生きるのさ

ー一最後にこの曲を持ってくるのニクいよね。これも英語のコーラスが日本語に変わってたでしょ。「You′ve got to get into the groove」のところ「我ら時を行く」だっけ?

そうですね。意味的には「そして毎日は続いてく」「過ぎて行く日々を ふみしめて僕らはゆく」的な感じですかね。それにしても「家族や友人たちと」のところの盛り上がりったら。なんで僕らあのセリフ部分そんなに好きなんだろう。好きすぎる。

ーーそういえば、この曲を演奏する前に小沢健二は「もう1曲の、感じたかった僕らを待つ曲です」って言ってたと思うんだけど……。あれどういう意味?

うーん、これも僕なりの解釈なんですが「自分を待つ本当の恋人とまだ出会っていない」っていうのが「ラブリー」と「愛し愛されて」の共通点だってことを言ってたんじゃないかな。

ーーん?

「ラブリー」は「いつか誰かと完全な恋に落ちる」ことを夢見てるけど、自分はまだ「夜が深く長い時」の中にいて「誰かの待つ歩道を歩いて」る状態を歌った曲ですよね。この解釈はほぼ異論のないところだと思います。で、「愛し愛されて」の主人公にも恋人はいないんです。

ーーあれ、でも「君の住む部屋へと急ぐ」って歌ってなかった?

恋人の部屋に行くために「突然ほんのちょっと誰かに会いたくなるのさ」なんて言い訳を用意する必要はないでしょう。ふぞろいな心を抱えたまま、やるせなく悩ましい日々を過ごしてる。そんな思いを歌った曲が「愛し愛されて生きるのさ」なんです。愛し愛されて生きることが何よりも大切なことだっていうのはわかってるし、そんな気持ちを愛すべき相手と感じ合いたいって強く思ってるけど、今はまだ「感じたかった僕らを待つ」時期だっていう。

ーーなるほど。

そう考えると、セリフ部分の意味合いもはっきりしてきますよね。「深夜に恋人のことを思って 誰かのために祈るような そんな気にもなる(日がいつか来る)のかなんて考えたりするけど」っていうことだと思う。それで、これから本当の恋人になるかもしれない、そんな相手がまぶしげにまつげをふせて、ほんのちょっと息をきらして走って降りて来てくれるんですよ。それは素晴らしいことですよね。愛し愛されて生きることの大切さをずっと信じてたからこそ生まれた景色だし。そんな希望に満ちたこの曲で、このコンサートが終わるのは本当に感動的だと思います。

アウトロ

ーーいや、しかし本当にこの「ひふみよ」っていうツアーは改めて振り返ってみても、ものすごい内容だったね。

うん、完璧ですよね。思い切って言ってしまえば、僕は小沢健二が過去にやったどのコンサートよりも素晴らしかったと思う。過去の曲に関しても、どの曲もただ昔をなぞって演奏してるんじゃなく、小沢健二が当時のオザケンを解体して再構築しているような。楽曲が持っている美しさはそのままに、現在の視点で新しいメッセージを注入して、新しく生まれ変わらせているような。そんな印象を受けました。

ーー何回も観て気づいたことはあった?

んー、セットリストは基本的に同じとはいえ、やっぱり初日の緊張感はハンパなかったです。ステージも客席も、張り詰めた空気が満ち満ちてた気がする。逆に中野サンプラザとNHKホールは地元ならではの親密なムードがありましたよね。5月24日、中野サンプラザのアンコールで小沢健二が客席を指さして「岡崎京子が来てます!」って言って涙を流したのも驚いたし。あのときに会場全体を包んだ驚きと温かさが混ざり合う感じは、ちょっと言葉では言い表せないです。
by ayu_cafe | 2012-03-01 09:11 | Trackback | Comments(0)