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大雪の夜、すべてが静止したディズニーランドで

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ビョークの楽曲で「ヨーガ(yoga)」という
きれいで荘厳な曲があります。
その曲を聴くと、あるイメージがひろがります。



***************************************


前の晩からたくさんの雪が降り続けて、
特別に朝から閉園したディズニーランド。

夜半になって雪はやむ。

常規を逸脱した夢の王国は
一面の真っ白な雪のなかに埋もれている。

白く静粛で敬虔な別世界。

すべては静止し、沈黙している。

カリブの海賊達は、争いごとや
ばか騒ぎをやめている。

トゥーンタウンの路面電車も、
ウエスタンリバー鉄道もしんと停車したたまま
身体を休めている。

カントリーベアシアターの熊の楽団も沈黙する。
ホーンデッドマンションの住人も。
チキルームの極彩色の鳥たちも。
アリスが開いたティーパーティも。
そして、あの青く美しいお城も。
深く冷たく沈黙する。





かなりの時間がたって、
ふいに七人の小人の誰かが、
口をひらく。


「おや、きょうは子供たちも恋人たちも
こないようだね」


他の小人がゆっくり答える。


「この雪だものね。
でも、静かなのも、いいものだね」


他の小人がうなずく。


「ああ、ほんとだ、静かなのもいいものだ」



その夜、夢の王国の住人たちは、
アメリカンマナーの微笑みの
頬の筋肉をすこしだけゆるめる。

そして、白雪姫やピノキオやピーターパン達は、
故郷の遠いヨーロッパの冬を想う。



夜深く、気が済んだかのように雲はきれ、
ビックサンダーマウンテンのはるか上空に、
明るい月が輝く。

ずっと外にいたダンボが、
広げた耳をかすかにうごかす。

雪がカサっと落ちる。

夜空に波紋のように冬の星座がひろがる。
# by ayu_cafe | 2008-10-22 01:51 | ayuCafe Music Bar | Trackback | Comments(0)

すましたペンギン通信2  初校でました。

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友人とつくった絵本の初校(第一回目の試し刷り)が
出ました。ジ〜ン。

出産って、もしかして、こんな感じ?
(ちがいますね、はい、すみません)

何度となく伺っている講談社さんにて、
今後の書店まわりや、
書店においてもらうPOP(宣伝のカードみたいなの)
のことなどもお話させていただきました。
ふたりとも、まがりなりにも、広告制作に携わる人間なので、
POPは、自主デザインです。


さ、もうすぐ、大事な我が子達(ペンギン)が、
世の中に、歩きはじめます。

みなさんに可愛がってもらえるといいいんだけど。。
(なにしろ生意気なので。。)
# by ayu_cafe | 2008-10-21 02:57 | すましたペンギン通信 | Trackback | Comments(9)

起きがけに、光を一杯。

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鎌倉の北欧雑貨屋さんの
夏のマーケットで購入。

半径の小ささと、
受け皿の小ささが◎。

ちなみに妻チョイス。。


毎朝、光がたくさん注がれてます。


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ayucafe この一品 vo.13
# by ayu_cafe | 2008-10-19 23:46 | ayuCafeこの一品 | Trackback | Comments(6)

ASIAN KUNG-FU GENERATION NEW SINGLE 「藤沢ルーザー」

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パフュームのDVDと、エゴラッピンのベスト盤が
発売になったので、タワレコ渋谷に行くと、
視聴機に、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの
ニューシングルがあって、タイトルを見てびっくりした。

「藤沢ルーザー」

地元の名前って、恥ずかしいけど、
密かに、うそーっ、と盛り上がる。

この前の「週刊真木よう子」の最終話も、
藤沢が舞台だったし、
もしかして、今、藤沢、キテル?(←なわけない)

ちなみに、そのドラマで、真木よう子と
永作博美がおしかける場所は、
高校の頃、むちゃくちゃ通ってた楽器屋&ライブハウス
があったところ。いまは、仏壇屋☆


はなしがそれた。

アジカン、視聴してみると、
「ライナー 3番線のホームから手を振るよ」
ってゴッチが歌ってて、
たしかに、ライナーは1、2番線だから、
手を振るなら、普通東京方面行きの3番線か、と
密かに納得。。(←なにをやってるのか。。)


↑ジャケットも秀逸。
女の子は、麻生久美子似、(かな・笑)


ひらくとこんな感じ。↓

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グリーンが美しいけど、これ、江の電カラーが
モチーフなんだろうな。すばらしい。


アジカンは、今年3月に、
アルバム(「新しい世界」の最終音!)だして
6月にミニアルバム(「深呼吸」のイントロ!)だして
11月にアルバム出す。
アルバムのタイトルは、「サーフ ブンガク カマクラ」。

生き急いでるのか。。

視聴機には、タワレコ渋谷の店員さんの
入魂のレビューが↓

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最高なので、敬意をこめて部分的に写経。

「〜実際、藤沢に行ったことがある方も
ない方も、この際、行って、もしくは「藤沢」へ向かう
電車の中で聞きながら、自分と向き合って
明日へ進んでみてもいいのではないでしょうか。
せつないけれど、明日はくるから、
前に進むしかないのですね。
アジカンは、私たちに、常になにかしらの
メッセージをなげかけてくれています。
それをしっかりと受け取って力にしていきましょう!」

なるほど、よし、わかった、力にしよう。
と納得。(←ちなみに出勤前)


カップリングは、RENTALSのカバーで、
珍しく女性VOがメインで、かなり最高でした。


ちなみに、上のレビューのような「企業努力」が、
タワーレコード日本支社をアメリカのタワーのような
倒産から救ったのは、明白。

そして、この湧き出るレビューは、
エモーションが前のめりにつんのめる
アジカンの音楽、そのものだな。

ちなみに、エゴラッピンのベスト盤の
手書きレビューは、一言

「買わない理由、ある?」

だった。

タワレコ、コピーの勉強になる(笑)



↓これは、渋谷にあるエゴラッピンの看板。
(タイトル「BEST WRAPPIN'」ってかっこいい)
黒に白いふちどりと、濃いピンクがきれいだった。

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# by ayu_cafe | 2008-10-19 14:57 | ayuCafe Music Bar | Trackback | Comments(4)

キンモクセイのせいで 〜「帽子」に学ぶ〜

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先週、山梨のいなかに行く前の日、
NHKで緒形拳さんの追悼番組として、
「帽子」というドラマを再放送しているのを
偶然途中から見た。

はじめは、なんとなく見ていて、
そのうちTVの前に身を乗り出して
見てしまった。


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緒形拳さんは、好きでもきらいでも
なかったけど、この最晩年の作品を見て
圧倒された。

「帽子」は、広島のいなかで、
学生や、船員のひとがかぶるような
手作りの帽子をつくっている
おじいさん(緒形拳さん)のはなし。

おじいさんは、一人暮らし。
もうかなりの年で、ものわすれもたびたび。
なんとか東京にいる息子が家に帰ってきて
帽子屋をついでくれないかな、と思ってる。
たまにさびしくなって高校生くらいの孫に
電話をかける。
家にやってくるホームヘルパーの若い男の子に
世話を焼かせる。


***************


このおじいさんの演技がすごかった。
ほんとに、こんな困ったお年寄り、いるいるいる、
と思った。困るけど、憎めない。
世話を焼くと、勝手なことを言う。でも憎めない。
地方のお年寄りの方言での困った言い回し、
からだの自由の利かない動き、
服装に気をつけなくなった高齢者のたたずまい。


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終盤で、ホームヘルパーの男の子に
一緒に東京に行こう、って誘う。
男の子は、行きたがらない。
新幹線のホームで、心配そうに男の子を待つ。
発車直前に、男の子が階段をかけあがってくる。

そのとき、緒方さんは、ほんとにうれしそうに、
小首をちょっとかしげてとろけるように笑う。

人間が「どうしょもなく可愛い」、と感じてしまう。
そんな笑顔されたら、なにも言えなくなるじゃん、
って笑顔。

演技がどうとかはよくわからない。

でも、そのお芝居を、その日常の一挙一動をみて、
はやく自分のおばあちゃんに会いたくなった。


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ドラマ自体も非常によくできていた。
脚本は、今村昌平さんのもとで
ずっと緒形拳さんと一緒に仕事してきたひと。
ホームヘルパーの男の子と一緒に東京へ行って
帰ってくるときのがらんとした新幹線に、
二人でだけくっついて座っている画面も最高によかった。

最後の最後に出てくる、幼なじみの役の
田中祐子さん(エボシ!)は、
あたりまえのように圧巻だった。
緒方さんと田中さんが公園ではなすときの
蝉の声や、午後の光もとてもよかった。

田中さんは、緒方さんが丁寧につくった
帽子をずっと箱に入れて持っていた。
「これがあったから今日まで頑張れたよ」って
緒方さんに言う。

田中さんは、それからしばらくして亡くなる。
ドラマの最後は、緒方さんが、
田中さんのセリフを思い出しながら、
また黙々と帽子を創るシーンで終わる。


ものづくり、つくりもの、というのは、
時に、約束であり、勇気であり、
時に、言葉以上の、実生活以上の「関係性」になる。

それは、けしてはなやかなものでなくてもよくて、
丁寧に、静かに、真剣につくれば、
かならず、ひとを強く結ぶ。


***************


緒方さんの晩年の映像を見るたび、
驚くほど、やつれていてしのびなかった。
でも、このドラマを見て、そうは思わなかった。
やつれて、老いて、自由のきかなくなった人間、
それが、不思議だけど、すごく魅力的に見えた。

そこに、つまらない役者の自意識はなくて、
正とか負ではカテゴライズできない人間そのものが
ごろんと「生きて」いた。


人間が生きて、いろいろあって、
おもいのこすこともあって、
死ぬまでに会っときたいひとがいて、
ものをつくって、
大切な関係を紡いで。

そういう静かな作品を、
まるで帽子屋さんのように、
役者とスタッフは黙々と静かにつくった。
それをNHKは、追悼番組として静かに再放送した。


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もともとはNHK広島の開局記念として
つくられた番組。
DVDなんて出ないだろうな。
録画しとけばよかった。

でも、またこの季節、
キンモクセイがあたりに匂いだせば、
その匂いと連鎖して、
あの「どうしょもなく可愛い」笑顔を思い出すと思う。

またこの季節、キンモクセイの匂いのせいで。
# by ayu_cafe | 2008-10-19 03:59 | ayuCafe TV Bar | Trackback | Comments(0)

ねこものまね act.26

「本日の特売品」






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※国産です。
# by ayu_cafe | 2008-10-16 02:14 | ayuCafeねこものまねshow | Trackback | Comments(8)

ayuCafeパリ案内 7

ここだけのはなしですが、
空気がひんやりと澄んだ秋の朝、
ちょっと早起きして、
シテ島の公園まで出かけてみてください。

光が水のように気持ちよく流れています。

こんなふうに。


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ayuCafeパリ案内 7
# by ayu_cafe | 2008-10-15 03:02 | ayuCafeパリ案内 | Trackback | Comments(0)

キンモクセイの匂いをたぐるように

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先週はなんだかいろいろハードだったんだけど、
金曜日は花屋さんの開いてる時間に帰れたので、
おばあちゃんの誕生日用の花が買えてよかった。

今回は、ちょっと小さめだけど、
おばあちゃんが好きなえんじ系の色が
たくさんあるから、いいかな、と。


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渋谷で買って、品川乗り換えで、
神奈川の海辺の街まで、花を持って帰ってきた。

誰かにあげる花を運ぶだけで、幸せな気持ちになるのは
なぜだろう。
実はいろんな仕事も、花を運んでるようなものなのかも。。
(↑また仕事か。。苦笑)


***********************


次の日、おばあちゃんのいる山梨まで、
母を乗せて、アルファで、屋根をウイーンと開けて。

カブリオレのクルマのいいところは、
山の空気や、あたりの花の匂いをたくさんかげるところ。
メットのいらないところ。
後方確認する時、空がひろがっているところ。

母いわく、「あ〜寿命が延びる」(笑)


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家の庭は、奥にあるキンモクセイの匂いでいっぱい。
でも、走りだしても、街のいたるところから、
キンモクセイの匂いがして、驚いたことに
中央高速でもキンモクセイの匂いがした。

まるで、キンモクセイの匂いをたぐるように
走っているみたいだった。


***********************


中央高速では、秋の透明な逆光の西日に
向かって走った。
出たばかりのOASISの
「DIG OUT YOUR SOUL」をずっと聞いてた。

音楽の神様に祝福されたグッドメロディと
グッドボーカルと、
秋の神様に祝福されたきれいな逆光の西日を
浴びながら、誕生日の小さな花をつんで走った。


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秋の山梨の山並みはほんとにきれいだった。
南アルプスや甲斐駒や、八ヶ岳は、
水彩画みたいな淡く織りなすシルエットになり、
高尾や秩父から連なる東の山並みは、
夕日を浴びて、その美しい陰影を浮かび上がらせていた。


***********************


山梨のいなかの家にもキンモクセイが香っていた。

そのまますぐ施設に行って、玄関の前で
ふりかえると雲がきれいだったので、パチり。

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***********************


おばあちゃんに
お誕生日おめでとう、と言って
花を渡せた。

祝福というより、一方的な感謝を込めて。


花は、
渋谷発、品川、神奈川、中央高速 経由で、
おばあちゃんの手もとに
無事到着。

花も、長旅、お疲れさま。


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# by ayu_cafe | 2008-10-14 03:11 | かぞくのこと | Trackback | Comments(2)

絵本出版 第一報

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ご報告させてください。


イラストレーターの岡村志満子さんと
私がつくった絵本が、

講談社さんより、出版されます。


タイトルは、

「すましたペンギンさんきょうだい」


発売日は来月11月13日予定。



はっきり言って、ちょっと夢のようです。。



渾身の作品です。
すこしでも多くの方に読んでいただければ、
と思います。




経過は、追って、この
「すましたペンギン通信」で
ご報告させていただきます。





※この一報を受け、
うちのスターペット、もみ、も
目を丸くして驚いていました。。↑
# by ayu_cafe | 2008-10-06 00:37 | すましたペンギン通信 | Trackback | Comments(14)

むぞうさ、あでやか。

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無造作に、艶やかに。

時々、生命は、
ゼンアクやジョーシキとは別の暗がりの中で、
まっすぐに、こちらの心臓をみつめてくる。

そんな時は、やっぱり、
ひとに言えないくらい
ドキドキする。
# by ayu_cafe | 2008-10-05 01:21 | 花と樹と庭のこと | Trackback | Comments(8)

「絵はそこで、待っていてくれる。」

ある気持ちのいい秋の休日、
午後になって、洗濯物をとりこんでから、
ブラックパール号のシートをはがして、
妻と箱根のポーラ美術館へ出かけた。

小企画展の方で、
フジタの「小さな職人たち」シリーズを
一挙36点展示する、ということで、
これは行かねば、とずっとそわそわしていた。

うちから箱根までは、道が
すっきすきなら30〜40分くらい。
洗濯ものをとりこんでからだったので、
さすがに、下りは空いてて、すぐ着いた。

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メインの企画展の方は、
佐伯祐三とフランスっていうので、
なぜか、あまり日本の画家に興味がないので、
なにも期待せずにいたら、この展示会が
ものすごくよかった。

まず、企画展のエントランスに置かれている、
看板(?)がかっこいい。

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なにこれ、バスキアみたいだよね、
と妻とちょっと盛り上がる。

はじめに影響を受けた画家の展示。
ルノアールが数点、そして、ゴッホのこのヒナギクの
背景のクリームソーダ色が、とんでもない色をしていた。
(実物はとんでもなくきれいです)

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絵も、建築も、街も、食も、実際のものはまるで違う。
本で、ネットで、見て、知ってるというのは、
まったく知らないのと同じ、というのが、
私のささやかな経験から得た鉄則。
この日見たものは、ほとんど、その
実物パワーを激しく発していて、
なんだか、もう一回生まれたみたいな気分になった。


そして、ヴラマンク。

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名前は知ってたけど、実物見て、圧倒された。
いま、ヴラマンクって入力しているだけで、
鳥肌がたつ。
これも実物は、もっと黒が輝いていて、
キンとこころが冷やされるよう。



そして、佐伯祐三。

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とてもひきこまれた。

なんなのだろう。パリに行ったからかな。
晩秋の夕刻の疲労感、雨の匂い、
クルマやバスや救急車の喧噪、人いきれ。
石畳を歩いた足の痛み。
作家や画家や音楽家がのたうちまわった
人間の痕跡。

すこし生きたからかな。
よごれて、疲れて、しわのついたこころが、
この絵に身をしずめて、休みたがっている
ように感じた。


そして、ユトリロ。
え?ユトリロ?こんなにあるの?

パリでもオランジェリーか、
モンマルトル美術館でしか、まとまった数を
見たことないのに、こんなに近くにあったとは。

私にとって、ユトリロは育ての親(?)みたいなもので、
佐伯祐三も、ユトリロの子どもみたいなものだから、
佐伯祐三の絵が気に入らないわけはないのか。。

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やっぱりすごい。
まったくなんでひかれるのかわからないけど、
涙がでそうになる。
佐伯祐三よりも空気が乾燥してることは確か。。


ちなみに、佐伯祐三の企画展の図録は、
とてもかっこよかった。

こんなの。

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他の企画展では、結構好きなブーダンや
モネ、ボナール、セザンヌ、ピカソ、
シャガールなんかが見れた。
(洗濯物をとりこんでから来る、
というような日常的なスケールを
完全に超えている。。)

フランスでクルマを借りて訪ねた、オンフルールや、
エトルタを、ブーダンや、モネが描いていて、
妻と、「ほら、ここ、あの坂道のところの。。」とか、
「この海岸、もっと石だらけだよね。。笑」なんて、
絵の前で小声で話した。

旅行に行く醍醐味のひとつは、
その場所の絵の前で、
妻と小声で話せることかもしれない。



ピカソのブルーもきれいだった。

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シャガールは「私と村」が見れてうれしかった。

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シャガールって、東欧の絵本みたいだな、と思う。

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そして、フジタ。
その展示室が遠くに目に入っただけで
逃げたくなるほど、ドキドキした。

36枚の「小さな職人たち」と
いくつかの作品が一部屋に並んでいて、
その空間に居れることが夢のようだった。

「小さな職人たち」は、これも
写真だと味わいがまったくわからないけど、
ファイバーボードという繊維の質感が
わかる素材の上に書かれていて、
独特のテクスチャー感があって、
ちょっと前に吉祥寺で見た、酒井駒子さんが
段ボールの上に書いた原画と通じるものを感じた。


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そして、フジタの出会うべきものに出会ってしまった。

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この実物の乳白色の光り方は、ほんとうに
この世のものとは思えない。

フジタの白は、「科学的」に分析されていて、
どうも、硫酸バリウムを下地に用い、
その上に炭酸カルシウムと鉛白を混ぜた絵の具を使って
いたことがわかってきたらしい。

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フジタを見たのは、国立新美術館のポンビドーセンター展で
「カフェの女」を見て、
その白の輝きにたたきのめされたのが最初。
それ以来、夢中になって、
パリでも美術館になっている
モンパルナスのアトリエ跡を訪ね、
重い画集を買って帰ってきたりした。

ポーラには、講談社さんから出た画集があって、
即買い。
講談社さん偉いな〜。パリでも画集、なかなか
見つからなかったのに。。

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もうすぐ、大規模な回顧展がはじまるらしいし、
ポーラでも、フジタの企画展の方は、
3月までやってるらしいから、
あと80回くらい見にいきたい。。
とにかく、実物は違うから。。



「絵はそこで、待っていてくれる。」

というのは、あるアーティストの言葉だけど、
うんと好きになる知らない絵が
いろいろなところで、待っていてくれる、って
なんて素敵なんだろう。
# by ayu_cafe | 2008-09-29 02:50 | ayuCafe 絵画 Bar | Trackback | Comments(8)

冬は、9月のすすき野原で生まれる。

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# by ayu_cafe | 2008-09-28 02:49 | ayuCafe travel 国内線 | Trackback | Comments(4)

「Fontaine de Vaucluse」

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輝く緑の冷たい水。
僕がフォンティーヌ・ボークリューズのことを思い出すとき、
まっ先に思い浮かぶのはあの水のことだ。
わきでたばかりのすきとおった水が、
浅い川底の鮮やかな緑の苔を映し、木漏れ日にきらきら輝く。
手を入れると、真夏でもそれはそれは冷たい。

僕がフォンティーヌ・ボークリューズにいた頃、
夏休みになるとどこからともなくあらわれる女の子がいた。
たぶん、おばあちゃんの家にでも遊びに来ていたんだろう。

その頃僕には、お気に入りの場所があった。
川の流れがすこしゆるくなって、
大きな池のようになっているところ。
水面には木々が覆い被さり、
ちょっとした隠れ家みたいだった。

置き捨てられた小さなボートを見つけてからは、
いつも、ボートを浮かべ、そこに寝転がって、
一人の時間を楽しんでいた。
いろいろな木が、午後の風にいっせいに揺れる音や
鳥や虫の音を聞きながら、
眠りについたり、眠りから覚めたりしていた。

ある日、女の子が、その場所にあらわれた。
僕たちは、なぜかすぐになかよくなり、
ボートを浮かべては、そこでたくさんの時間をすごした。
女の子はよく摘んできた花を飾ったり、
冷たい水面を手のひらでなぜたりしていた。

僕はボートで飼おうと思って連れてきたカブトムシを
女の子に嫌がられたりしていた。
いまでも、川岸から古いボートを、すうっと水に浮かべて、
それに乗り込む時のワクワクする感じを覚えている。

女の子は毎年、突然いなくなった。
僕もいつ帰るのか、いつも聞かなかった。
そういえば、どこに住んでるのかとか、
名前すら聞いたことがなかったかもしれない。

ある年の夏休みを最後に、女の子は姿を見せなくなった。

僕は毎日ボートを浮かべて、また一人の時間を過ごした。
輝く緑の冷たい水の、その水面を、
女の子の白い手がゆっくりとなぜているのを
壊れた機械のように何度も思い出しながら。




Fontaine de Vaucluse







別の場所で、徒然なるままに、
のんびりと短篇小説的なものをしたためています。
たとえば、一杯の美味しいお茶を、
ゆっくり飲む時の「お茶の友」(笑)にいかがでしょうか。。

写真は、BEAUTIFUL WORLDから。
# by ayu_cafe | 2008-09-23 10:05 | Trackback | Comments(2)

「こんなに幸せになれるとは思わなかったよ」

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澄んだ秋空に芙蓉(ふよう)の花が
気持ちよくそよぐ9月、
友人のJさんに二人目のお子さんが誕生したそうです。

ほんとにおめでと。
よかったね〜。


すでに彼女、おめでとうメールをたくさん
もらってると思うけど、
考えてみると、われわれ誰しも、
ほんとんどのひとがこんな風に
祝福されて生まれてきたんだよね、なんてちょっと思いました。

Jさん、いまでこそ、白髪染めが〜とか言ってるけど、
なにかの縁で、彼女が19歳くらいの時からの知り合いです。

小さい頃から、最近までわりと波瀾万丈な人生だったこの友人、
二人目のお子さんがお腹にいることを病院で
聞いて、クルマにもどったとたん号泣したそうです。

その時、私がお祝いのコメントしたら、
こんな返事を書いてくれました。

「こんなに幸せになれるとは思わなかったよ」


生きてると、こんな言葉を言える日が来るっていう
判例として、民法とかに載せてもらいたいです(笑)

ほんとにこんな風なことになるとは、
途中の段階では、想像もできなかった。

想像もできない祝福が、人生には、ひっそり用意されている。
なんとなく、植物や光は、それを
暗示し、示唆してるような気がします。
絶望や悲観に労力を使いすぎるのは、
もったいないかもしれません。


僭越ながら、自分の人生にも
なにかプレゼントをもらったみたいです。

おめでと。ありがと。
# by ayu_cafe | 2008-09-21 23:45 | 友人・同僚のこと | Trackback | Comments(6)

ねこものまね act.25

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ト音記号。
# by ayu_cafe | 2008-09-19 02:05 | ayuCafeねこものまねshow | Trackback | Comments(8)