ayuCafe

かぐや姫の物語。悲しくてもいとおしい。

かぐや姫の物語。悲しくてもいとおしい。_b0072051_22522930.jpg




かぐや姫の物語。

すごいものが公開されていた。
早く観ればよかった。


※以下内容に触れます。





「姫の要求した宝物の多くは中国の古典やインドの経典に出てくるし、姫が前世の罪を犯したために地上に落とされるという発想は、前世の行いが現世での運命を決めるという仏教思想に基づいています。」

http://a.excite.co.jp/News/review/20131128/E1385454073824.html
から。


終盤「KYな音楽」とともに
月からやってくる彼らを
見ても一目瞭然。

仏様。

つまり、月へ行くことは
死ぬこと。


姫の犯した罪とは
前世の罪で
罰とは
このけがれた地上に
落とされること。



宇多丸さんもポッドキャストで
言っていたけど
けがれの部分は
前半から巧妙にあらわれている。

夫婦で子供をとりあう。
うりを盗む。
物欲、出世欲。
娘の幸せのために。。



最後、あ、ここで終わるのか
と愕然とした。

解決と救いがない。



けがれた世の中で
けがれて
ここではないどこかを
夢みて死ぬ。


ああ、まるで
自分たちと同じだ。。



ただ、この
見終わったあとの
狂おしい感動は
なんだろう。






それは、あの
生命力に満ちた線。
あのアニメーション。


あの、線が
あのアニメーションが、

物語の全編に渡って


「解決も救いもないかもしれない。
悲しい結末にしか辿りつかないの
かもしれない。

だけど、

生きることは
この世は
価値のないものではない、
無ではない。
悲しくてもいとおしい。」


と言い続けている。



たとえば
バッタの重みで
たわむ草が。


たとえば
縁側から落ちて
でんぐり返る子供が。




解決のないところにある
激しく動的ななにか。


解決と救いと理想ではない
この場所の、
この生の、
悲しさといとおしさ。


アニメーションという
道具を使いきった
78歳の仕事。



観れてよかった。



かぐや姫の物語。悲しくてもいとおしい。_b0072051_22562122.jpg
















by ayu_cafe | 2014-01-20 22:51 | ayuCafeジブリ詩集 | Trackback | Comments(0)