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任侠ヘルパー、凄い。

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大きな2つの仕事が峠を越える。

あと3つ。


終電で帰って、妻が録っていてくれていた
任侠ヘルパーの最終回を観る。

凄い。決めどころ満載。


草なぎさんはほんとに凄い。

初回のころ、介護ビジネスの女性社長に、
ほっぺたをひっぱたかれたあと、
ニヤっと笑うところとか最高だった。


これ、ほんとによくつくっている。

小さな男の子が、草なぎさんにいつも
両ほほを片手でつかまれ、鳥のくちばしみたいになって、
メソメソすんなよ、とか言われるんだけど、

今日の回では、男の子がつらくてつらくて
自分で泣くのをがまんするために、
自分で、自分の両ほほをつかむ。

記憶をなくした元女社長の最後のセリフ。
すべて忘れてしまってもそのひとらしさ、って残る。

なんにも(解決)できねえじゃねえか、
って草なぎさんが涙をながすところ。

極道兼スタッフのひとりが、
介護施設に居続ける理由みたいなやりとりで、
「任侠を知っちまったしな」って言うところ。

最後の最後に、閉鎖された介護施設に
介護施設の元所長がやってきて、
うちつけてあるガードをはずす瞬間、
ドラマのタイトルと
サウンドアイコンになってる効果音が
ズシン、っと響いて終わるところ。


あの効果音の作り込みだけでもすごい。


これつくったひとは、
現実はこんなもんじゃない、って言われるの
十分承知でつくってるんだろうな。

たぶん甘いつくりだったら、最後まで観てないと思う。
でも、甘いところもたくさんある。
でも、ここまで、ハードで、ここまで身近な現実がある。
それに触れているだけでも偉いと思う。

このハードな現実がドラマにならないわけがない。

逆に言うと、ここのところをすっとばして、
見てみないふりをして、なにが表現か、
なにがクリエイターか、なにがお洒落か、なんて思う。


中盤の回で、訪問介護をしていた家に、
ヘルパーがいく。
老人は孫とふたり暮らしで、どうも、
孫に虐待されている。拘束もされている。

草なぎさんたちのヘルパーが
虐待の現場をおさえ、老人を保護し、
介護施設に入れる。

(この老人の俳優さん?が
見事にリアルに弱ったおばあちゃんで
素晴らしいキャスティングだった)

そのおばあちゃんは、家に帰してくれと暴れる。
「あんたら、ヘルパーさんは、いつかいなくなる、
でも、孫は暴力はふるうけど、ずっと
そばにいてくれる」

この回の最後のシーンは、おばあちゃんが
帰してくれ、と叫びながら、部屋の中で暴れて、
ヘルパーがなんとか部屋の中で、取り押さえようとしている。

部屋のドアのガラス窓に、おばあちゃんが暴れながら
自分のあたまを何度かうちつける。
ガラス窓に、何度か赤い血がつく。
草なぎさんがそれをぼうぜんと見ているカットで終わる。


つくってるひとも戦っていると思う。
ゴールデンでこのテーマでエンタテイメントする。
現場で従事されている方はご意見もあると思う。

でも、まず取り上げることは大事だと思う。

いっときのテーマで使い捨てになるかもしれない。
でも、わたしは、祖母の介護施設で、
あるいは、将来、親の介護をするときに、
あるいは、あらゆる困難なシーンで、
草なぎさんの仕草や目つきを思い出して、
いくらか毅然と現実に対峙しようとする思う。
「メソメソすんなよ」なんてセリフを思い出しながら。




さて、

あと3つ。
by ayu_cafe | 2009-09-18 03:13 | ayuCafe TV Bar | Trackback | Comments(0)