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殺傷現場にして、出産現場。ボブ・ディラン japan tour zepp tokyo.

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うわー、何から書こう、幸せすぎてまずい。

ボブ・ディラン japan tour zepp tokyo.


あのひと、きっと、ロックとかブルースとか、フォークとか
カントリーとか、ファンクとか、ゴスペルとかの
音楽という名の生命体を、鳥籠にいれて飼ってる。


そんなものに、生で触れてしまったら、
幸せになるほかない。



あるひとが、ブログで、今回のライブハウスツアーに行って
帰ってきて、タイトルをひと言で書いていた



「一曲目、メンフィスブルースアゲイン」



このタイトル自体が詩で、文学みたい。

こんなの見たら、行かないわけにいかないじゃん、クソー。


youtubeで観る限り、声も出てないみたいだし、
年とったし、あんまり動いてない感じだし、
たまにある大物確認ライブなのかなあ、なんて
ちょっと思ってた。


ぜんぜんちがった。
ディラン、ギター、がんがん弾いてるじゃん、
オルガンもおおいかぶさるようにして、立ったままひいてる。
ティミートーマスみたいなオルガン、かっこいいー。
そして、ボーカル。
ものすごいパワフル。
っていうか、すごいアタックが強い。
ぐいぐい身体を揺らされる。

なに?これ。
あ、生のロックだ。


バンドも、なにこれ?すごいグルーブ。
ドラムのキック?ウッドベース?のせい?
リードギターのあの子のあのオルタネイティブな弾き方なに?
めちゃめちゃかっこいいじゃん。
そつなくない、違和感ありまくりの気持ちいい演奏。
ロックって、新鮮な違和感。
あぁ、うるさい。あぁ、うれしい。


zepp tokyoの最後列で、ディランの帽子が見えるか見えないかで、
見てたけど、ぜんぜん、身体が揺れてくる。

曲の中盤で歓声があがる。
これって有名な曲だからじゃなくて、
バンドのグルーブが、
ある瞬間別の次元にいったみたいなとき起こる。

うわーすげえ。なんて豊かな躍動なんだ。
あー、ギター触りたい。
ウッドベース触りたい。
オルガン触りたい。
バスドラ、あんなふうにキックしたい。




曲によっては、殺傷現場みたいだった。
こわくて、官能的でデビッドリンチの音楽のシーンみたい。

その音楽が殺傷するのは、

まあいいかとやりすごす自分、人の目を気にしてる自分、
リスクを冒さない自分、てきとうな自分、人に合わす自分、
ぬくぬくと甘えた自分。平均点でやりすごす自分。
あと、くよくよとか、めそめそとか、グズグズとか。。

そういうの、この音楽が、皆殺し。

そして、この場所がその殺傷現場。
ああ、こういうのだったな、おれの好きな「表現」って。




曲によっては、出産現場みたい。

ディランが歌ってる内容は、ほとんどわからないけど、
こう言ってるのは、はっきりとわかる。


君が君のやりかたでやらなければ、なんの意味もないよ。



forever youngを聴きながら、いま、自分が、
何度も生まれてるような気分になった。


それか、生まれてすぐ教会で洗礼を受ける
子供の気持ちって、こんな感じかなあ、と思った。




like a rolling stone.

サビに向かうまでの、だんだんもりあがってくる
あの感じの至福感。
下を向いてたライトがゆっくりとコチラに向いてくる。

サビ、光。

やっぱ、これ、洗礼だわ。




終盤。
all along the watchtower.
死ぬ。

ジミヘンドリックスやU2がカバーした原曲。

なんつうダイナミズムなんだよ、この演奏。

隣の女の子、悲鳴あげてる。
わかる。わかる。当然。



最後の最後。

風に吹かれて。


原曲の面影なし。
この曲は歌詞覚えてる。


友よ、答えは、風に吹かれてる。


く〜、かっこいい〜。


答えなんて、言ってもらいたいわけじゃない。
こんな、カッコイイ、ギターリフみたいな、
フレーズひとつで元気を出したいだけ。



元気、出た。生まれた。


音楽が全部おわって、zeppの電気がついて、
ディランが、あの奇跡の生命体を鳥籠にしまってしまった。


でも、それが、本当にあったことが、
わかってよかった。


わたしが、どんなにうまくいかなくても、全部なくしても、
表現というものの躍動は、断固として、こわいくらいに脈打ってる。
あぁ、よかった。
こういうものに出会えて。



この世界ツアーの名前は、never ending tour.


ディランは、本編では、メンバー紹介くらいしか、
しゃべらなかったけど、あらかじめ、
大声で、言ってた。



まだ、なにもおわってない。














++++++++++++++++++

ちなみに、グッズ。

ボブディランの全アルバムアートワークの
チロルチョコ。

殺傷現場にして、出産現場。ボブ・ディラン japan tour zepp tokyo._b0072051_5254847.jpg


セカンド、「時代は変わる」、「ビリーザキッド」、
ブートレグシリーズ、とか、かっこいい。
(いいデザインはちいさくてもかっこいい)

「ハイウェイ61」は、睨んでてても、チロルチョコ。
「ハードレイン」はすごいことになってる。



衝撃の文字組↓

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by ayu_cafe | 2010-03-30 01:32 | non category | Trackback | Comments(4)
Commented by london-midory at 2010-03-30 12:37
ayuさんこんにちは!初コメント。どきどき。

いいですね~~!! わたしもボブ・ディラン好きですー♪フォークのときの彼の歌が特に、お気に入りです。
そして....このチロルチョコ!知ってますーー
会場にしかおいていないらしいですね☆ いいないいな~~♪ 食べれませんね。何味だろ..じゅるり。
Commented by ayu_cafe at 2010-03-31 08:27
midoryさん、いらっしゃいませ。
まあ、まあ、しんとしたカフェですんで
お気軽に(笑)

フォークディラン、いいですよね、
don't look backって映画の彼、
奇跡のようにかっこいいですよね。
アコギを持つ位置が高くで、かっこいいんだよなあ。。
弾きっぷりとか、構えがかっこいい。

っていうかmidoryさんのブログも、
弾きっぷりと、構えがかっこいいです☆

チロルチョコ、これはもはや、チョコではありません、
チロルディラン。。。
Commented by london-midory at 2010-04-01 22:51
またきちゃいました。ehe!
かっこいいですよね~。若くしてあの憂いのあるかお!

ぽっ。うれしいです☆
ディランの歌詞もいいけど、ayuさんみたく、言葉の表現力があったらなぁ。

ちょっと前に、ケイトブランシェットとかヒースレジャーが
彼の映画つくってましたね。(ケイトが一番似ていることに感動!)
その中でも冒頭で紙芝居ぺらぺらをやっていて、
これこれ~~♪って興奮しました♥
Commented by ayu_cafe at 2010-04-03 21:59
midoryさん、あの紙芝居ぺらぺら、
ちょーかっこいいですよね、今度
あんなふうにプレゼンしてみようかな。。
(落ちるな。。)

言葉の表現力、きゃーうれしいです。
うーむ、でも、midoryさんのブログ、
景色をきれいに貼付けてだけでなくて、
ちゃんと自分のものにしてる感じが凄いっす。