まるで自伝。宮崎駿が選んだ50冊の直筆推薦文展
「宮崎駿が選んだ50冊の直筆推薦文展」に行ってきました。
これは、素晴らしかった。
宮崎さんは、CUTやSIGHTなんかのつっこんだインタビューを
読むと、すごくひねくれてて、ガードがかたい感じがするんだけど、
この岩波少年文庫の50冊を推薦する文は、
影響を受けたものを推薦する、という形態なので、
逆に、宮崎さんの純真さが、とてもよく伝わってきた。
本のこと、というより、その本と自分という
書きっぷりなので、これは、もういままで、あまり語られなかった、
すごく素直な自伝みたいで、
なおかつ、
真摯な夏の特別講義みたいだった。
そう、たぶん、何か好きものを紹介するってことは、
自分のことを話すことかもしれない。
※上の写真のミニ本は、会場のグッズ売り場で、
いくらか買ったひとに、もらえるんだけど、
その中から、一部、写経させていただきます。
「最初に読み終えた時の気持ちが忘れられません。
言葉にすると何か大切なものがぬけ出てしまうような気がして、
だまりこくってシーンとしていました。」
「子供時代に、ぼくは、この本からなんという大きな
はげましとなぐさめを受けたことでしょう。
兄弟にも友人にも言えないひみつの大事な本でした。」
「大人になって訳者の石井桃子さんの文章のすばらしさが、
この本を素敵にしたんだと判りました。
ひとつひとつのお話が、どれもキラキラして
クリスマスツリーのようです。」
「ずっと前に、ソ連(今のロシア)でアニメーションになって、
その映画を観て感動したひとりの日本の少年が後にアニメーターになりました。」
「わたし達が住むこの日本という島々に伝わる
ふしぎなお話を集めた本です。
迷信とか古くさい信仰と片づけてはいけません。
ぼくやあなたの心の奥のもっと奥の方に、
今でもふしぎなものが伝わっているからです。」
「私が学生の頃、近所の小さなガールフレンドに、
プーを読んであげました。まあその時のその子の
よろこびようは感動的ですらありました。
よいお話にはどれほど人をしあわせにする力があるか、
本を書くっていい仕事だなあってその時思いました。」
「この本を読んだ人は、心の中にひとつの風景がのこされます。
入り江の湿地のかたわらに立つ一軒の家と、こちらをむいている家。
何年もたって、あなたが大人になって、この本のことを
すっかり忘れてしまっても、その家はあなたの中に、
ずっとありつづけます。そして、いつか、窓に出会います。
旅をしてはじめて見た家なのに、ずっと前に見たことが
あるような気がして、なつかしいような、せつないような
気持ちになって、とつぜんマーニーのことを思い出すのです。
これはそういう本です。」
「友人が、子供の時、だいすきだったんだと、この本を
おしえてくれました。
もうずいぶん大人になってからなのに、友人の眼は
キラキラして、なつかしさでボウとなっているようでした。
それで、この本は友人のもので、ぼくが読むのは他人のものを
ぬすみ見するような気がしました。」
「あるアニメーション映画を作っていて、くたくたになって
帰った夜、ふとんの中でこの本を読みました。
短い作品の中に世界が描かれていました。
文学ってすごいなあ、こういうのが文学なんだという
思いがわいて来て、自分達がおおぜいで毎日毎日
夜おそくまで机にかじりついて、絵を描いても描いても
いっこうにできない映画より、この本の方が素敵だなあって
ちょっと悲しくなりました。」
「この人の作品はすべてたからものです。
あわてて読んではいけません。ゆっくり、なんども読んで、
声を出して読んで、それから心ににひびいて来るものや、
とどいてくるものに耳をすませて、場面を空想して、
何日もたってからまた読んで、何年もたってからも読んで、
判らないのにどうして涙が出てくるのだろうと思い、
ある時はなんだか見えてきたような気がして、とたん、
スウッときえてゆくのです。
そういう美しいものがあることを教えてくれるのです。」
「ぼくらがまだ若くて、たぶんあなたが生まれるずっと前に、
ぼくらはこの本を原作にして、52本のテレビアニメをつくりました。
アニメより原作を本で読んだ方がいいという人がいます。
ぼくも半分位そう思っていますが、この作品は、ちがう、
と思っています。見、読みくらべてみて下さい。
ぼくらは、いい仕事をしたと、今でも誇りに思っています。」
「残念ながら、ぼくは勇気を発揮するチャンスを何度も逃し、
傷つきやすく臆病な少年時代をすごしてきました。
読みなおして、勇気や誇りを持つことに、自分がどれほど
あこがれていたのか思い出します。
ぼくには、少年時代も大人の時代もやり直すことは
できません。でも、と思います。ちゃんとした
老人になら、まだチャンスはあるかもしれないって。」
「ぼくは、舞台美術が好きで、クラスで劇をやる時は
いつもすすんで美術を担当しました。この本で、時間をかけて、
しっかりした舞台の美実ができたらなあって今も思います。」
「ムシャクシャして、イライラしている時、くたびれて、
すっかりいやになっている時、この本を読むと
ホワーンとあたたかい雲の中に入ったように
身も心も軽くなります。なんだかうまくやれそうな気がしてくるのです。」
「今も戦争は少しもなくなりません。貧乏も刑務所も
増えているほどです。ぼくらのゆびはみどり色ではありませんが、
チトの側にいようと思っています。」
「ぼくは、セドリックとは、正反対で、ためらい、ものおじし、
はっきりいえない子供でしたが、セドリックは好きでした。
こういう子がどこかにいると今でも思っています。
かしこくて、やさしくて、おだやかで、まっすぐな友人が
いたからです。その少年は、ほんとうに若く死んでしまいましたが、
おかげで、ぼくはどこかにいるんだと思えます。」
私もこのミニ本、ほしいです。で、50冊全部、読みたくなりました。
「宮崎駿が選んだ50冊の直筆推薦文展」は札幌にも来るかしら?
いま、アリエッティを観る決心がつきました。
私にとっても「本」ってとっても大切な存在だから、宮崎さんがこういう展示(?)に関わることで、本好きな子ども達がもっと増えていってくれたらいいなと思いますね。
お勧めされている本達、物語も魅力ながら、挿絵がまた魅力。
豆本と一緒に写っている石(ガラスでしょうか?)も形と透明感がとても綺麗ですね。実際はどのくらいの大きさなのでしょうか?
岩波少年文庫で育った私としては、まじでその本こんどみせてってかんじです。
ちなみに、いまあゆ氏からかりてる二冊はかなり愛読しています。
ドリトル先生航海記をよんで、深海を大きな貝で旅したりしたいっておもったり、自分の中にはかなり岩波の血が流れているのよー
人生の中で、外国人作家の本を一番読んだのは小学生のころだったのかも!
アリエッティのホームページに出ています。
ぜひ、ミニ本をゲット☆してください。
ちなみに、わたしの時は、一日数量限定で
午後にいったとき、もうなくて、もう一回
次の日の午前中に行きました☆
響いてもらってよかった。
写経した甲斐がありました。
細かく言及されていました。
絵を見てるだけで、いろいろ思い浮かぶ、みたいな
ことも。。あと、昔の装丁の本が、
展示されていたんですけど、これは、
素晴らしかった。いまの岩波少年文庫、
カバーが絶望的なんですよね。。
昔の装丁ってほんと素晴らしいものがある。
この中にバラとゆびわのやつとか。。
大きさは、5センチくらいかな。
ガラスは、北海道、洞爺の
ガラス作家さんのものです。
朝の光があたるとなんともきれいなんです。
もう一回、行ってみるよ、って
言ってたときのやつです。
これは、今回のジブリミニ本キャンペーンの中でも、
別格です。っていうか宝物です。こんど見せるね。
そうか、岩波っ子だったのかー。
わたし、むかしもいまも、あんまり文学って
よまないから、コンプレックス。。
ああ、大きな貝で旅したい。
というか、貝になりたい。。
宮崎駿が選んだ50冊の本が気になり
サイトでチェックしてみました。
おや?私が幼少期読んだ本のラインナップと
ほぼ同じなのに・・・インプットは同じなのに!
なぜこれほどまでにアウトプットが違うのか?
(当たり前だけど、愕然!)
思うに、宮崎駿氏は星の王子様の冒頭の帽子が
王子様同様「ぞうを飲み込んだ蛇」に見えるタイプで
私は子供の頃から帽子にしか見えないタイプだった、
この違いかもしれません・・・分かりにくすぎなたとえ。
私のイメージするあゆさんも前者タイプです、ちなみに!
ゆきさんお願いしていただいた件、
ご相談に乗っていただき、ありがとうございました。
おばと話し、いくつか、ご質問をまとめて
おります。
あつかましいお願いですが、なにとぞ、
よろしくお願いいたします。
アウトプット、
いやいや、しっかりと影響は
でていると思うんですけどね。。
自分ではわからないことって多いと思います。
幼少期、これだけの本を読まれたなんてすごい。
わたしは、ほとんど、読んでいません☆
それにしても、誰にでも、幼少期がある、
って素敵だと思います。
帽子にしか見えないタイプ、
わたしもこっちタイプです。
ぞうを飲み込んだ蛇タイプも、
これはこれで、なにかとややこしいのでは、
と思います。。
懐かしい本がたくさんあって嬉しくなった・・・
実は、つい最近めちゃくちゃハマっていたのまであって・・・
Le Petit Prince 「星の王子様」です。
たぶんじゅんぺいが中学で使った本が部屋に転がってて・・・
フランス語でしっかり読んだのはこれが初めてで・・・
ピンポイントでハマりまくって・・・
7月中毎晩寝る前に、何度も何度も繰り返し読んでました。
フランス語の文章がそれはそれは素晴らしくて・・・
その流れで買い求めた Vol de nuit (夜間飛行)は、
ちょっと私には難し過ぎるのだけど、これはまさに私むき・・・
珠玉の名作、っていう表現があったっけ・・・(笑)
9月ごろ、連絡しますね!
岩波ッ子だったんですね、すごいなあ、
わたしは、せみを追いかけたり、昼寝を
してたりでした。。
星の王子様、ああ、なるほど、フランス語の
文章が素晴らしいって、いいですね、
絶対、そのよさってありますよね、
永遠にわたしには、味わえないものです。
うん、宮沢賢治とか、あと村上春樹さんの
文章も、翻訳されたら、絶対ちがうだろうな。。
寝る前に、何度も何度もっていいですね。
わたしもそんな本がつくりたい。
わたしも、もう一度、読んでみます。
いま、きれいな装丁で復刻しているんですよね。。
9月!いい季節ですね、もみとともに
お待ちしています!