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うみべの女の子 *正しいも間違ってるも関係ない自分だけの風景が確保されると、気持ちがすこし落ち着く*

うみべの女の子 *正しいも間違ってるも関係ない自分だけの風景が確保されると、気持ちがすこし落ち着く*_b0072051_250328.jpg




地震と、原発と、その前後にあった仕事でのできごとで
とてつもなく落ち込んでしまった。


落ち込む
→その反動で強くあろうとする
→たとえば、そういうような強くあろうとすることをブログに書く、
またはただ考える
→そうすることで、その自分のブログや、考えにまた追い込まれる。
→さらに落ち込む

という繰り返し。


3月11日の何日か後、本屋さんで
「うみべの女の子」を買った。

田舎の海辺の話し。

まったくひとにすすめようと思わないけど、
これに、ものすごく救われた。

しばらく、お守りのようにずっとかばんに入れて、
持って歩いてた。

開くだけで、その世界のトーンで、世界が見える。

誰も、がんばってなくて、希望がみつけづらくて、
人物は深く迷い悲しみ閉じている。
まったく生産的ではない。

でも、救われた。


人間は(わたしは?)、どこか、
がんばりきれず、迷い、生産的でないものでもあるのかもしれない。

そういう、人間の正しいも間違いもない、動脈の心拍音が聞こえた気がして、
その音を聴きながら、すこし静かに眠りにつくことができた。


被災地の方とは、くらべられるものではないけど、
無力感と恐怖と不安で、ずっと息がしづらい。

たぶん、その反動でこんなにブログを更新してる。

地震の前から、もともととても不安で、その中和のために、
ブログを書いているところもあったし。



「うみべの女の子」は、表紙がとてもきれい。

選んでる紙もいい。

明朝の縦書きのタイトルもいいし、

うみべ、って漢字を開いているところが内容ととてもあってる。



自分だけが知ってる海辺の風景や感触がよみがえる。


松の防砂林の中を歩くときの、地面が枯れた松でふかふかな感じとか。

雪の日、水温より、空気の温度の方が低くて、
海から白い煙(湯気?)があがることや、

見慣れてる看板に、港まで2km って書いてあること。




正しいも間違ってるも関係ない自分だけの風景が確保されると、

気持ちがすこし落ち着く。
by ayu_cafe | 2011-04-11 03:29 | Trackback | Comments(4)
Commented at 2011-04-11 16:58 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2011-04-12 01:49 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ayu_cafe at 2011-04-12 07:31
2011-04-11 16:58の鍵コメさま
あたまをなでられているようです。
ありがとうございますね。
元気になる元気がない、ときは、
逃げることも、生きるノウハウですね。
そこんとこ、認めて欲しいですね。
地球の反対側のとても遠いところから、
すぐそばにいるようなお言葉、
ありがとうございます。
Commented by ayu_cafe at 2011-04-12 07:40
2011-04-12 01:49の鍵コメさま
生きている感、
こちらこそ、ありがたい言葉です。
ほんとこういう手段があってよかった。
なるほど、その時々の適切な薬がある、と。
きもちもからだも、その症状を
把握しないと、ですね。。