タクシーの運転手さんとの会話。
ある深夜、とてつもなく仕事でぐったりした日、
タクシーに乗った。
行き先を言うと、
「じゃ、○○の○丁目あたりですか」
と詳しいので、聞くと
「15年くらい、このあたりで、○○(宅配便の会社)に勤めてまして」
50〜60歳くらいの方、口調がとても落ち着いていて
やわらかいので、つい、はなしをしてしまう。
わたし「宅配便は、地域にまんべんなく詳しくなるほど、
頻繁にオーダーがかかるものなんですか、不況とかでも。」
運転手さん「かかりますね。需要はあります。個人の方のものから、会社の書類まで。」
運転手さん「特に、○○(宅配便の会社)は、他の会社や、ゆうパックよりも
よく選ばれていました。」
わたし「それは、なぜですか。」
運転手さん「会社の指導が徹底していました。
お届けものを丁寧に扱う、迅速に、丁寧に、きめ細かく応対する、
笑顔で応対する。。わたしも、15年間で、30回くらい
研修を受けました。。
○○(宅配便の会社)は、他社より、少し値段が高かったけれど、
でも、選ばれていました。」
わたし「そうなんですか。。いま、すこしでも安いものを、
みたいな時代なのに、
そういうケア力(りょく)や、サービスの品質の良いものを
お客さんが選んで、そういう会社が勝ち残る、っていうのは
いいおはなしですね。」
運転手さん「そうですね、ある時、突然人気がでる会社って
たまたまその商品が当たっただけかもしれません。
結局は、人間的なサービスが大事ですよね。」
わたし「たしかに、マニュアル通り、慣例通りのあいさつや
サービスだけで、マニュアルからはずれたことが起きると
まるで、丁寧でなくなることもよくありますよね。」
運転手さん「そうなんですよ、でも、ほんとうに
いろんなお客様がいます。それぞれが、性格もちがえば、
価値観や考え方もちがう、生活、環境もちがう、
ひとりとして、他の方と同じ、という方はいませんね。
クレームに、あやまる、と納得されるお客様
ただあやまる、と怒り出し、逆に、お客様側のことを指摘すると
納得される方もいます。
こういうのは、経験をつまないとわからないですね、
わたしは、15年で、ほんとうに鍛えられました。」
運転手さん「考えかたも生活もそれぞれ、それから、
多くのひとは、次の日になったら、いろいろな感情は変化していますから、
だから、必要以上に引きずって傷つくことはないですよね。
傷つく、というのは、ある意味、自己陶酔というか、
自己中心的で、ナルシステックな部分がありますね。」
あなたは、お坊さんですか、と聞きそうになった。
疲れはかなりとれているような気がした。
写真は、庭のペンタス、オクラの樹、百日紅、
秋の光。