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melencolia 朝の青い麦

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朝の青い麦そよぐ道で
ぼくはなにも持っていない

からっぽのこころと
わずかなお金
むかしつくりかけたうた

涙もでない
こころもうごかない
夏の雫を 夏の雛鳥が
飲み干してる



朝の青い麦そよぐ道で
ぼくはなんの意味もない

役にたたなくて
蔑まれて
悪い夢に目を覚ます

だけどこのうた
きみにわたすため
遺言のように
このうただけきみに残す


朝の青い麦そよぐ道で
きみの顔を思い出し

からっぽのこころで
うたをつくる
きのうつくりかけたうた











***************


きのう、できた。


散々な気分で仕事帰り
満員電車で立ってゆられていた。

重たい洋雑誌を二冊も買って
しまったので手がちぎれそうだった。
(↑おおげさ)


ふとメロディが浮かんで
アイリッシュトラッドみたいな
曲にできないかと
電車の天井を見上げて
ぶつぶつメロディをつくった。
(↑変)


アイリッシュトラッドといえば
踊ろうマチルダだよな
とおもって
彼の声を思い浮かべながら
歌詞とメロディをつくっていった。


なにもかもなくした
こころもうごかなくなった
人間のうたをつくりたかった。

ブルースやトラデショナルフォークには
そういう人間がたくさんでてくる。
ディランやスプリングスティーンが
継承している題材。
つまり自分たちのような人間のうた。

ニールヤングの音楽なんて
こころが動かなくなってしまった
人間の音楽そのものみたいで
素晴らしい。


しょうもない、軽蔑しそうな
キャラクターって大好き。
メキシカンっていう映画の
ブラットピットのキャラみたいな。

あの彼の演技はほんとに上手い。


こころの動かなくなった
人間に残るものは
なんだろうと考えた。
希望や勇気や癒しではなく
それでもなにか
おもってしまうものは
なんだろうと考えた。

ま、考えるまでもなく
自分のことを描写すれば
いいだけだった。


夏の雫を夏の雛鳥が飲み干してる

っていうようなきれいめの事実を
かさかさな虚無感と
抱き合わせられてよかった。


比喩と情景描写とあいまいな感情で
世界感をつくるのも好きだけど
根底にあるのはいつも

きみの顔を思い出して

みたいな、もともこもないこと。



深夜、電車を降りて
深夜バスの席に座り

だいたいできた曲を
iPhoneにうたって録音した。
(↑変)
by ayu_cafe | 2012-05-26 09:13 | Trackback | Comments(2)
Commented by ayaco at 2012-05-27 02:27 x
ayuさん、こんばんは。
えへへ、このうた、立ち位置がわかんなくて呆然としてるときの自分の姿を彷彿とさせられます。ぼうぼうと風に吹かれているひとは、やっぱり、たくさんいるんだな。なんて、思ったら少し安心して。
曲がぜひ聴いてみたいです。笑。

ありがとうございました。
Commented by ayu_cafe at 2012-05-27 09:59
ayacoさん
ぼうぼうと風を感じてもらってすごく
うれしいです。
わたしもayacoさんのコメント読んで
そういうひとっているんだなと
思い安心しました。

曲は、夕空晴れて秋風吹き〜
というあのアイランド民謡を
思い出しながらつくったんですけど、
いつかお聞かせできれば、と。
ちなみに、この日、家に帰ってから
さんざん猫には歌ったんですけどね。。