好きなジョニーデップ。
ジョニーデップでいちばん好きなのが
この、コープスブライド。
原作はロシアの昔の話。
(以下ストーリーの内容にやや触れます。)
彼は、資産家のひとり息子で
両親が段取った結婚をしようとしている。
花嫁の家にいくと使われていないピアノがあり、
ふと彼がそれを弾く。
この時の右前方の青い光のゆらめきが
ブルーレイの実際の画面で見ると気絶するほどきれい。
もろもろうまくいかないことがあって、
彼は夜の森で、かつて死んだ花嫁と結婚の約束をしてしまう。
死んだ花嫁は、素直ないい娘で、とてもよろこぶ。
でも、彼は、死んだ花嫁をだまして
現実の世界に戻り、もともと結婚するはずだった
花嫁のところに帰る。
すると、その花嫁には、次の婚約者が決まっていた。
そして、彼を追いかけてきた死んだ花嫁は、
彼にだまされたことを知る。
死んだ花嫁は、失望して、死者の世界に戻り
ピアノの前にうなだれている。
彼も失望し、そのピアノのところに戻ってくる。
彼は、だましたことを詫びる。
「ぼくもなにがなんだか、わからなくて。」
死んだ花嫁は、おこっているけど
すべてに失望し、疲労している。
彼女がポン、ポン、とピアノの音を出すと
彼がとなりに座り、彼女をなだめるように、
ピアノで続きを弾く。彼女は怒っている。
やがて、会話のかわりに、
悲しくてきれいなメロディーの連弾がはじまり、
いつのまにか、二人でピアノを弾くのに夢中になる。
すると死んだ花嫁の手がすっととれて
手だけが、うれしそうに、きれいなメロディーを弾く。
※この鍵盤の質感!
彼女の手は、喜びいさむように、
彼の肩を美しい仕草でかけあがる。
まるであがらえない彼女の気持ちのように。
つい吹き出して笑ってしまう彼女。
失望感と疲労感をたたえたまま、苦笑いを浮かべ
彼女が言う。
「つい夢中になって....」
彼がすまなさそうに言う。
「きみのいいところだよ...」
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「つい夢中になって....」
「きみのいいところだよ...」
この会話の表情と声のトーンが
すごく疲れていて、落ち着いていて
あきらめていて、でも愛情にあふれていて
すぐさま、作品ごとしまっておきたくなるくらい
愛しくなる。
それにしても。。
「きみのいいところだよ...」
という以上の愛情表現の台詞なんて
あるんだろうか、という気になる。
結ばれない二人。
どこへもいくとができない。
でも、お互いのことはわかっている。
このシーンで二人が弾くピアノの
悲しくて美しい曲は、iTunesで150円で買える。
タイトルは、
「piano duet」。