花火よりもすぐそばの波の音が大きい。
夜、音がしたので、海まで花火を見に行った。
隣町、茅ヶ崎のサザンビーチから
ローカルな花火が上がっていた。
海岸には、いい具合にまばらに人が来ていて、
のんびり遠くの花火を見ていた。
花火よりすぐそばの波の音の方が大きかった。
夜空は晴れていて、涼しい夜だった。
大きくカーブする湾沿いのずっと先のほう、
もうひとつ別の町で花火大会をやっているらしく
暗い湾にそって、二箇所から花火があがっていた。
帰りにお店に寄ってグラスワインを
一杯だけ飲んだ。
海の上の花火、蝉の声、暑さ、
夏は異界にいるようだ。
異界のワイングラスは、
キンキンに冷えていた。