「戦争に反対する唯一の手段は」

小西康陽さんのラジオ番組の
ホームページから転載させて
いただきます。
最終回は、やはり「戦争に反対する唯一の手段は」、
という吉田健一の言葉を軸にして
番組を作りたい、と考えていました。
この言葉、いつの間にか
よく知られるようになりましたが、
この文章が入っている 吉田健一の
それは「長崎」という題名の、
最後の段落の冒頭の文章でした。
その前の段落は、こんな文章です。
戦争に反対するもつとも有効な方法が、
過去の戦争のひどさを強調し、
二度とふたたび……
と宣伝することであるとは
どうしても思えない。
戦災を受けた場所も、
やはり人間がこれからも住む所であり、
その場所も、そこに住む人たちも、
見せ物ではない。
古きずは消えなければならないのである。
そして続くのが、最後の段落。
戦争に反対する唯一の手段は、
各自の生活を美しくして、
それに執着することである。
過去にいつまでもこだわつてゐたところで、
だれも救われるものではない。
長崎の町は、そう語つている感じが
するのである。
こんなに短い随筆なら、
前半も抜き書きすれば、
という人もいるかもしれませんが、
興味のある方はぜひどこかでお読みください。