ayuCafe

「それぞれの不自由さ、生きにくさにめげないでもらいたいな」樹木希林さんが語る映画「あん」と河瀬監督。

b0072051_08510371.jpg




樹木:河瀬さんという人はね、ぐっと押し出す強さを持ってて、何者が来ても引き受けるみたいな女の人なのに、作家としては慎み深さがあると思う。
実際にハンセン病の人たちが集まって、三々五々しゃべってるシーンがありますけども、そういうときもさりげない。日差しの中でね。そこに
河瀬さんの美意識、あるいは優しさみたいなものを感じます。だから、私はこの時期に河瀬さんと出会って良かった。もう、ちょっと遅いけどね。これからの役者さんには、河瀬さんとの仕事があったら、どんな役でもいいから、どうぞって言うの。過酷な現場を見ることをできるから。


──河瀬監督の現場はかなり厳しいとうわさに聞きます。

樹木:自分の役を生きてくれって言われる厳しさなんです。怒鳴ったりもしないし、どこからスタートなんだか分からいような、優しい雰囲気の撮影現場です。通りがかりの人が「どら焼き売のお店できたの?」「買えるんですか?」なんて、芝居している最中に声かけてくるくらい自然に、記録映画のように撮っていくから。いい物を作らないといけない。数少ないチャンスを生かさないといけないなと思います。




樹木:全部、もう大胆にカットですよ。それは、(徳江の友人・佳子役の)市原悦子さんも、人によっては出演したのに全面カットもありますからね。だから、出てただけでも良かったじゃないって(笑)。だけど、カットされた間からこぼれるものは、やっぱり長いこと、いろんな人生を生きてきた人の持っている存在感だと思いましてね、すごく安心でしたね。たくさんの監督と出会って、たくさんの役を生きてきて、この歳になって、ああいう監督に出会わせてもらって、役者の原点に戻していただいたっていう、そこは一致しましたね、市原さんと。



──千太郎を演じた永瀬正敏さんも素晴らしかったですね。

樹木:私も、そう思う。今回顔を見てて、ああ、いい男だな、と思えるのね。いろんな体験もして、華やかなものも、苦しみも体験したことがすごく素直に出ている。一番永瀬さんが心の中で文句言わなかったんじゃないかしら。私は表には言わないけど、心の中でいろいろ言ってました。「またやるの?」「そんなに朝早く?」とかね(笑)。でも、永瀬さんは本当に謙虚。見ていて、役者はそうあるべきだなって。72になっても自分中心で、みんな悪いのはそっちっていうような生き方してると、反省しましたね。



私は60になって目が見えなくなったり、肺炎起こしたり、がんになったり、いろんなものが重なってくると、ああ、そういうもんだなって。だから、元気でぱたっと死ぬのは、ちょっとかわいそうな気がする。だんだん弱って、いろいろ不自由になって、あれもできなくなる、これもできなくなる。そうするうちに、だんだんあきらめがついてくるのね、自分の生というものに。そうすると、楽よ。生きるということも、死ぬことも面白がって、それもそれっていうふうにいると、案外気楽。いろんな人に出会って、いろんな喧嘩もして、裁判もしたり、いろいろあったけど、今はそういう節目節目のいろんな出来事が、みんな面白かったね、となるから、面白いわね。

http://www.moviecollection.jp/interview_new/detail.html?id=453




たたずまいがしなやかで威圧感がなくて、でも粘り強くて。これで監督をやるんだっていう感じでしたね。あの時は自分でカメラも回していたんですよ。だから、すごい重労働だと思うんですよね。それで子供を育てていて。いろんな意味でへえ~っていう感じ。それが映画祭に出ると監督というより女優になるわけ。華やかさと主張みたいなものが。それで面白いなあと思いましたね

http://eiga.com/movie/81499/interview/



あれも、台本にあるセリフの部分は終わっちゃって、「まだ回ってるみたいだから、何か話さないと」と思って会話してるのが使われてるんです。台本にある部分は、全部カット。監督は、セリフが撮りたいんじゃなくて、そこで醸し出される雰囲気が撮りたいんだと、終わってからわかりました。


本来、自由であるはずの男の人、女の人が、世間から囲いを付けられて、はたまた自分で囲いを作って、不自由な中で生活している。その対比で、自由を描いている作品です。みんな、多かれ少なかれ不自由さの中にいるんじゃないかと思うんです。そこから、うれしさや喜びを見つけていくのが人間だと思うので、それぞれの不自由さ、生きにくさにめげないでもらいたいな、という感じ

http://www.movie-highway.com/news/201505/20150529-01.php






by ayu_cafe | 2015-06-03 08:52 | ayuCafe 映画 Bar | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://ayucafe.exblog.jp/tb/24546748
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。