「自分の美学を追究するために残りの人生を使い切りたい。」
それに最初の学期で老眼が始まりましてね。腕や肩の故障もあり若い同級生のように無理がきかない。これは、亀になって時間をかけて知識を刷り込んでいこうと決め、地道に練習を重ねた結果、卒業するのに通常より長い4年半かかりました。
集団生活は基本的に得意ではなかった。こんなことやりたくないと思うことがあった。自尊心がうちひしがれ、心も折れた。合ってないんじゃないかと混乱した時期もあった。落第はしていないが、同期生は45人くらいのうち45番目だったと思っている。
粘って卒業したというのは自分の中で1つの礎になっています。今も忙しい日々に追われて「危ない危ない。また練習をしっかりやらないと」って思って再びピアノに向かうと、前に気付かなかったことがわかることがあります。一生その繰り返しでしょうね。練習は生涯続いていきます。
自分でマッサージをやって、弾き終わったあとはアイシングをして、お風呂で指の神経を一本ずつほぐしたり、色々な方法で指を元の状態に戻していきます。練習し過ぎると故障しますが、負荷をかけないと上手くなれないし。1日でも1時間でも長くピアノを弾いていたいという想いがあります。
こちらでは、待っているだけでは何も始まらない。自分から率先してブッキングをしたり、タイアップやスポンサー探しをします。一緒に仕事をしたいと思ったら、メールを出してアプローチもします。断られる場合もありなかなか骨が折れますが、努力が実ったときの喜びは言葉では表せませんね。