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長い時間をかけて、うさぎのところに戻る。

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むかしむかし、ある母親が、
自分の子供にいくつも絵本を
買ってあげていた。
その中に、小さなサイズの
うさぎの絵本があった。

子供は、その絵本を読んで、
うさぎやその仲間たちが
よく困ったことになるので、
ハラハラしていた。

それから長い時間がたった。

母親は、職場で大きな事故に遭い、
障害者認定を受けた。

子供は持病こそあったが、
なんとか自分に合う仕事を
見つけることができた。

母親が定年した翌年、
子供は大事なひとと結婚した。

ある日、うさぎの絵本を書いた
作家の伝記映画が公開されたので、
子供は、母親と妻を誘って観に行った。

映画のチケットを買うとき、
障害者手帳を見せれば、
本人と付添人が割引になる、
と書いてあったので、
割引にしてもらった。

映画には、限りなく美しい湖水地方と
繊細でやさしい原画が、たくさん出てきた。
原画の中のうさぎたちは、
CG技術で動きまわり、
たまに、まばたきしたりして、
こちらを不思議そうに見ていた。

ずいぶん久しぶりの再会だった。
うさぎたちは、こちらを見て、
いろいろなことが変わっていて
驚いたかもしれない。

長い時間をかけて、子供は、
母親と妻を連れて、
うさぎのところに戻って来た。

帰りに、作家のスケッチをあしらった
タンブラーが売店で売られていて、
「これいいねえ」と盛り上がり、
3つ買った。








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(↑読んでいたのは、日本語版初版本でした。。)
by ayu_cafe | 2007-09-17 02:01 | ayuCafe 映画 Bar | Trackback | Comments(4)
Commented by maVieestBelle at 2007-09-17 03:54
私もこのウサギたち、結構好きです。
特に、顔を洗ってる仕草なんかは、ぐっ! ときますね。

ま、私の原点はもうひとつのウサギ、「うさこちゃん」なんですけどね。
3才の頃に、ひとまわり年上の姉から一冊プレゼントされて以来、ずっと・・・。
(最近ではすっかりミッフィーちゃんが定着してるかも・・・)
Commented by apoi at 2007-09-17 10:47 x
とても母さんうさぎのようにはなれないけれど
ことしもアップルミントやスペアミント、
ラベンダー、レモンバームを乾燥させて
お茶やお風呂を楽しんでいます。
基本的にCGものはあまり好きではないのですが…
ポターさんの映画は、観たくなりました。

私の原点も、やっぱり「ちいさなうさこちゃん」かな。
とくに「ゆきのひのうさこちゃん」が好きでした。
いま、子どものころに読んだ絵本が並んでいる
本棚をチェックして、愕然としました。
うさこちゃん、真っ赤なペンで、いたずら書きされてるじゃん。
ええっ…あんなに好きだったのに。
なぜ、こんなことしたんだろう。まずい!覚えてない!
母はどうして怒らなかったんだろう。

Commented by ayu_cafe at 2007-09-18 01:31
maVieさん、いらっしゃいませ。
そうですね、仕草がいいですね、彼ら。
そして、仕草に見とれるって、
いいですよね。。動物以外でも。。

ひとまわり上のお姉さんからのプレゼント
ですか。。なんか勝手にほのぼのします。。
もらったことも、ふくめての“おはなし”
ですよね。。
うさこ、って懐かしい響きです。
Commented by ayu_cafe at 2007-09-18 01:38
apoiさん、いろいろな香りとともに
いらっしゃいませ。
なにやら優雅な暮らしぶり。。笑
子供のころに読んだ絵本が並んでる本棚、
って、いい響きですね。
多くの人にそういう本棚があるのかも
しれませんよね。

いたずら書き。。上の私の本も、タイトルに
ひらがなで、ルビをふっていました。。笑
つるんときれいな本よりいいじゃないですか。
本と親密だった証拠かも。
子供の頃って、絵本が、空気みたいに
羊水みたいに近くなっている時が
ある気がします。