うさぎの女の子は、いままで、たんたんと生きてきたけど、最後に、一冊本を作ろうと思った。誕生日の夕方、きれいな本をつくるちいさな印刷所さんでお話しをした。その後、静かな珈琲屋さんでひと息ついた。いい誕生日だった。ねこのごはんを買って帰り、花屋さんで見つけたCDを聴きながら眠った。
キツネは思った。なぜかおれは知っている。未だ見ぬ美しいものがあることを。それは容赦のない美しさ。たぶんおれにとっての救いは、なぐさめや馴れ合いではなくて、この暗闇で容赦のない美しさを求めることに没頭し、その片鱗に触れること。その暗闇で似たものを求めるひとと黙って目配せすること。
子ぐまが聞いた。幸せってなに?クマが答えた。自分の中にちいさな成長を感じること。きみがどしゃ降りの中にいても、嫌われても、醜くても、きみの中に僅かでも成長を感じることができれば、きみは幸せの途上にいる。幸せはゴールではなくて苦々しい現状と並存して息をしているのさ。
ジェーンバーキンが言ってたのかな。フランスとかだと部屋別で男女達が一緒に住んでみたいな。結婚があまり続かないので。そういう家族以外の共同体のかたちがあるとすれば、ネットで趣味の合うひとたちと日常を共有してたまに会ったりして暮らすのも新しく共同体のかたちなのかな。
うたを、コード名とかコード理論がわからなくてつくっているので、iPhoneで記録したうたのコードを見つけて、タブ譜に採譜するのが大変。こんなとこ押さえてたんか、自分⁈といちいちびっくりする。ねこがちょい食べなのでちょいちょいご飯あげながら33曲分の採譜。外は9月の虫の音。純粋な夜。